久々に日本製パワーユニットがニューエンジン賞を獲得
エンジンのイヤーモデルを選定する「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー」が今年も開催され、大賞に当たるインターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーはフェラーリの3.9リッターV8ツインターボが獲得。’16年に続く2年連続での受賞となった。その年に登場したエンジンに限るといった縛りがないだけに連続受賞の前例は多く、最近では’12〜’14年のフォード3気筒1リッターターボの3年連続受賞に加え、’09〜’10年のフォルクスワーゲン1.4リッター TSI、’07〜’08年のBMW3リッターツインターボがあげられる。
各国の自動車ジャーナリスト58人の投票得点からなるこの賞。’16年はフェラーリ3.9リッターが331点を獲得してダントツ1位だったが、今回’17年は251点と得点数は下がり、2位のポルシェ3リッターターボが216点と迫っている。やはり2年目となると高得点を入れるジャーナリストも減るようだ。ちなみに’16年は2位だったBMWの1.5リッター3気筒ハイブリッドターボは3位ながら151点とかなり離された。
大賞以外の排気量別など部門賞は別表の通りだが、今年は新たに「エレクトリックパワートレイン部門」が新設されたのもニュースだ。環境性能の高いエンジンに与えられるグリーン・エンジン・オブ・ザ・イヤーとともにテスラの電動パワートレインが2クラスを制覇しているが、このあたりにも高性能パワートレインが高得点を得るこの賞の性格が見てとれる。ちなみにグリーンエンジン部門はテスラが4年連続受賞となっている。
そして今回はNSXに搭載されるホンダの3.5リッターハイブリッドが、日本製パワートレインでは唯一、ニューエンジン部門のウィナーに輝いた。日本製パワートレインは’10年にトヨタの1.8リッターハイブリッドと3気筒1リッターエンジンが部門賞を受賞して以来、実に7年ぶり。ホンダが技術の粋を集めて開発した先進パワーユニットだけに評価も高かったようだが、2300万円を超えるNSX専用であり、誰もがそのフィーリングを味わえるものではないのがちょっと残念。来年はより身近な日本製エンジンがウィナーの一角に名を連ねることを期待しよう。