2017年度におけるアルピナの販売台数は、前年比で10%程度落ち込む見通しだという。そんな厳しい業績を口にする代表取締役社長のアンドレアス・ボーフェンジーベン氏は、意外にも晴れ晴れしい表情で語り続けた。
この販売台数の落ち込みはBMWモデルのライフサイクルを受けた一時的なもので、依然好調なセールスを記録しているB7ビターボに続いて、今回の東京モーターショーでジャパンプレミアとなったB5ビターボ・ツーリング・オールラッドとD5 Sビターボ・リムジン・オールラッドといった強力なニューモデルが2018年には戦力に加わるからだ。
B5ビターボ・ツーリング・オールラッド
搭載する4.4リッターV型8気筒ツインターボは最高出力が608ps、最大トルクで800Nmを発揮。駆動トルクはZF社と共同開発したアルピナ・スイッチトロニック付き8速スポーツATを介してxDriveをベースに独自開発した4WDシステムにより4輪に分配される。新開発の専用サスペンションを装備し、後輪操舵システムや20インチの鍛造ホイールとともに俊敏なフットワークを実現する。
ガソリン仕様の新型B5ビターボはツーリングでありながら0→100㎞/h加速が3.7秒、最高速度は322㎞/hというスーパースポーツに匹敵するパフォーマンスを発揮する。一方、ディーゼル仕様のD5 Sは0→100㎞/h加速4.9秒、最高速度275㎞/hを実現しながら、欧州基準値で16.4㎞/リットルの平均燃費を達成。いずれもこの高出力に対応するためフルタイム4WDを採用している。
D5 Sリムジン
3リッター直列6気筒ディーゼル・ツインターボ・エンジンは、最高出力326ps、最大トルク700Nmを発生。8速スポーツATとフルタイム4WDシステム、アルミ鍛造製20インチアルミホイールはB5ビターボと同じ組み合わせとなる。サスペンションは幅広い設定が可能な電子制御式ショックアブソーバーを備え乗り心地とハンドリング性能を両立させている。
ボーフェンジーベン氏が楽観視するのも当然で、新型B5ビターボは、いまだユーザーが試乗もできない状況ながら、すでに日本国内で100台を超える先行予約が入るほどの人気ぶりだという。