昨年、イスラエルのサイバーセキュリティ企業「Arilou(アリルー)」を傘下に納めた、車載ソフトウェアのグローバルサプライヤーである「NNG(エヌエヌジー)」は、新たなサイバーセキュリティ技術の強化を目的とした「NNGサイバーセキュリティ部門」を設立。去る11月13日(月)に、コネクテッドカーの時代の到来にともなう新たな戦略についての説明会を東京都内のホテルで行った。
ハンガリーを本拠地とするNNG社の代表作、「iGOナビゲーション・ソフトウェア」は、全世界で2000万台以上の機器に搭載され、34以上の自動車ブランドに供給されている。NNG Navigations代表取締役である池田平輔氏によれば、スマートフォンも含めた自動車のコネクテッド化は日本が世界市場をリードしているとのこと。
NNGグループ傘下となったアリルー社CEOのジブ・レビ(Ziv Levi)氏は、「すべてのクルマがハッカーの標的になる可能性があり、当社のソリューションはハッカーに最も広く使用される手段に対して、効果的に、かつ、永久的に排除します。言い換えれば、悪質なハッキングからクルマを保護するワクチンを発見したと言えます。この予防策となるテクノロジーを採用することで、OEM各社は自社のクルマをハッカーの攻撃から守ることが出来るようになります」とコメント。
ハッカーが車載システムの攻撃のために最も頻繁に使用する「なりすまし攻撃」は、クルマが電子制御ユニット(ECU) からの正式なコマンドだと誤認識するような、不正なコマンドを送信すること。新たに導入された不正送信阻止システム (PIPS)は、 ECU間のCANバス上のコンテンツやコンテキストの分析だけではなく、その情報ソースまで分析できる業界初のソリューションで、悪意のあるメッセージを効果的かつ正確に傍受できる。波形のような信号の物理的な特徴をリアルタイムで分析し、有効性を検出することで不正なメッセージが届く前にPIPSが脅威をブロックして車載ECUの安全性を確保する仕組みだ。しかもこのPIPSはCANバス上で接続可能なので、単体ですべての車載ネットワークを網羅することができるとのこと。