2Lエンジン用をメインにCVT、6MT、4WDシステムを刷新。ドライバビリティの向上を目指す
ここにきてトヨタ自動車が新たなパワートレインの計画を公表。内燃機関の2Lエンジンに加え、新CVT、6速MT、2L用ハイブリッドシステム(THS II)、新4WDシステムと盛り沢山だが、これらはすべてTNGA(トヨタ・ニューグローバル・アーキテクチャー)に基づくもので、効率の高さと運転する楽しさの両立を目指している。 新型カムリにはダイナミックフォースの名を持つ2.5Lエンジンがハイブリッドと組み合わせて搭載されているが、今回設定された2L版はより高い性能と、日米欧および中国の最新排ガス規制に対応。新THS IIとの組み合わせにより、同クラスの過給エンジンに劣らない動力性能を得ることができるという。
EV重視の政策を打ち出してはいるものの、’30年まで内燃機関が主力パワーユニットと判断しエンジンの高効率化、低燃費化を重視するトヨタ。マツダも似た方向性と言える。
二酸化炭素削減に向けての電動化が進むなかで、なぜ今さら2Lの内燃機関なのか? と思う人もいるかもしれないが、今後電動化が進むとしても2030年時点ではハイブリッドやPHEVも含め90パーセントがエンジンを搭載しているとトヨタは予測。そのためには内燃機関の高効率化、低燃費化は欠かせないと判断。マツダも似た方向性で内燃機関の超高効率化を進めており、各国政府などが電気自動車(EV)重視の政策を打ち出してはいるものの、リアルワールドではまだ内燃機関が欠かせないということだろう。
ダイレクトシフトCVTと名付けられた新CVTは、やはりTNGAの考え方に基づくもので、入力トルク300Nm程度まで対応するキャパシティが与えられている。さらに大きな負荷がかかる発進時の駆動伝達には「発進用ギア」を使うという新発想で対応。これによりベルトへの負荷が減り、加えてベルト駆動を高速側へ振ることで従来以上のワイドレンジを実現している。CVT特有の滑り感も減り、ステップATもしくはMTの1速発進のようなフィーリングを実現したという。
主に欧州向けの新6速MTはシフト時に自動でエンジン回転を合わせる制御を導入し、4WDシステムは四輪へのトルク伝達を効率的に行うなど機能をブラッシュアップ。現時点で搭載車種は明らかにされなかったが、今後グローバルに展開していくことになるとのこと。性能やフィーリングの評価は実際に市販車に搭載されてからとなるが、トヨタの新テクノロジーにふさわしく期待に違わぬ出来ばえであることを祈りたい。