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日本仕様はXC60が最後となるのか!? ボルボがディーゼルとの決別を実行

新型S60はディーゼル搭載なしと発表

米国サウスカロライナ州のチャールストン工場では、中大型車プラットフォーム車の生産をスタート。

2019年以降に発売するモデルを全て電動化すると宣言したボルボ・カーズが、その実行に向けて動き出した。すでに実像が伝えられている次期ボルボS60ではクリーンディーゼル車をラインナップしないと発表。コンポーネンツを共用するステーションワゴンの新型V60には現時点でディーゼル車はラインナップしているが、アメリカ工場で生産がスタートするセダンのS60からはディーゼル車が姿を消すことになる。
ディーゼルハイブリッドなどディーゼルを残したうえでの電動化も考えられるはずだが、ボルボはきっぱりと「新世代ディーゼルの開発はない」と言い切る。日本ではV40と先代XC60から導入され、そのパフォーマンスも好評のクリーンディーゼル「D4」だが、今後、段階的にラインナップから消えていくことになりそうだ。

サウスカロライナ州の新工場で生産される新型S60には、ディーゼルの設定がないことが発表済み。写真のV60ディーゼルが最後となるのか!?

デンソーが開発した超高圧噴射ポンプを採用し、アイシン製のATを組み合わせるなど日本のサプライヤーとの提携も話題となったD4は、最新の2代目XC60にも4WDとの組み合わせで搭載され、販売は好調だ。さらに日本法人のボルボ・カー・ジャパンはガソリンモデルとディーゼルモデルの価格差をなくし、本来は高価なはずのD4を買いやすくすることで販売を伸ばす戦略もとっている。
また、ここにきてガソリン価格がハイペースで上昇したこともあってディーゼル指向は一段と強まり、欧州のプレミアムモデルにおいてもディーゼルモデルの人気は高まっている。特にSUVでは新型XC60をはじめランドローバー・イヴォーク、ジャガーFペイス、Eペイスもディーゼルを前面に打ち出しており、静粛性を含むパフォーマンスを高めたプレミアムSUVの人気はより高まることが予想される。
そんななかでのボルボのディーゼル決別宣言だけにちょっと戸惑う向きもあるだろうが、たしかにディーゼルは後処理による排ガス対策など、システムとしては複雑となりコストアップ要因も少なくない。さらに電動化に積極的な中国市場でのシェアアップを狙うボルボの戦略もかいま見える。このディーゼル決別宣言が他メーカーにも少なからぬ影響をおよぼすことになるのか、気になるところだ。

 

LE VOLANT 2018年8月号 Gakken Plus

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