新時代「ノイエ・クラッセ」開幕。BMWが示す未来のモビリティと日本戦略
BMWは2026年7月22日、次世代商品群「ノイエ・クラッセ」の第1弾となる電気自動車(BEV)、新型「iX3」の日本導入を正式発表した。メーカー希望小売価格(税込)は、「iX3 50 xDrive」が982万円、「iX3 50 xDrive M Sport」が1034万円。プレスカンファレンスでは、ビー・エム・ダブリュー株式会社の上野金太郎 代表取締役社長やプロダクトマネージャーが登壇したほか、新ブランド・フレンドに就任したプロサッカー選手の中村敬斗氏が登場。ここでは新型iX3の技術的背景と、BMWの新たなブランド戦略や日本市場にかける意気込みを詳解する。
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BMWが提示する新たな基準。一充電906kmが変える日本のBEV市場
新型iX3のアンベールに続いて登壇した上野金太郎社長は、新型iX3は単なる新型モデルではなく、BMWが次の時代へ進むための新たな基準を示すモデルであると強調した。デザインやデジタル体験、電動化技術を一段と進化させ、「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」と「ワールド・エレクトリック・ビークル」のダブル受賞を果たした実績は、その完成度の高さを証明している。
上野社長は日本市場の重要性について触れ、
「日本のお客様はクルマに対して大変高い品質、洗練されたデザイン、先進的なテクノロジー、そして日常における使いやすさを求められます。このモデルは、そうした日本のお客様の期待に応えながら、BMWならではの『駆けぬける歓び』を、これからの時代にふさわしい形でお届けするモデルになると確信しております」
と力強く語った。
とりわけ注目されるのが、国内のBEVで最長となるWLTCモード906kmという一充電走行距離だ。これは電気自動車への航続距離の不安に対する力強い回答であり、上野社長が「これからは、どれだけ快適に、どれだけ自由に、そしてどれだけ心躍る移動体験を提供できるかが問われる、そのような新しい時代に入ったと考えております」と述べるように、電気自動車が新たなフェーズに突入したことを象徴している。
上野社長自身が試乗した感想として、2.3トンという車重を感じさせない身のこなしの良さや、ドライバーの意図を受け止める自然な反応を高く評価している点も印象的だった。
飛躍的な進化を支える「統合」の思想。第6世代eDriveと革新の電子アーキテクチャー
続いてプロダクト・マネージャーのケビン・プリュボ氏が登壇し、新型iX3の技術的背景が語られた。プリュボ氏は
「このクルマの重要性は、新しい電気自動車が1台加わるということだけではありません。デザイン、電動化、デジタル体験、あらゆるものをBMWらしく、ゼロから考え直したモデルです」
と述べ、車両全体を貫く思想が「統合」にあることを解説した。
新型iX3を支えるのは、第6世代となるBMW eDriveテクノロジー、通称「Gen6」だ。新開発の円筒形セルを採用したバッテリーは、モジュールを省いて直接パックに組み込む「セル・トゥ・パック」構造と、パックそのものを車体構造の一部とする「パック・トゥ・オープン・ボディ」方式を採用している。この二段階の統合により、広い居住空間と大容量バッテリー、そして低重心と高いボディ剛性が同時に成立している。
駆動系では、前輪に誘導モーター、後輪に巻線界磁型同期モーターという異なる方式を組み合わせることで、高効率とパフォーマンスを両立している。これらを束ねるのが、車両機能を4つのスーパーブレインに集約した新しい電子アーキテクチャーである。その中核となる「ハート・オブ・ジョイ」は、駆動やブレーキなどを従来の10倍の速度で統合制御し、滑らかなソフトストップや俊敏なコーナリングを実現している。
さらにデジタル領域でも大きな進化を遂げ、新開発のBMWパノラミック・ビジョンとセンターディスプレイを組み合わせた「BMW パノラミック・アイドライブ」が、直感的なインターフェースを提供する。BMWオペレーティング・システムXを基盤とし、同乗者がスマートフォンから車両機能を操作できる新機能など、車内をより快適な空間にする工夫が盛り込まれている。
新ブランド・フレンド就任。中村敬斗選手が共鳴するBMWの魅力と新たな「歓び」
さらにプレスカンファレンスには、新たにBMWブランド・フレンドに就任したプロサッカー選手の中村敬斗選手が登場した。フランスリーグなどで活躍し、日本代表としてもゴールを決め続ける中村選手は、常に挑戦を続ける姿勢がBMWの理念と共鳴し、今回の起用に至った。
クルマを選ぶ際に見た目と走りにこだわるという中村選手は、新型iX3の縦型キドニーグリルについて「すごいシャープで、カッコいいですね」と高く評価した。イベント前に実際に試乗した印象については、
「初めて乗ってこう、アクセルを踏んだ時なんかは、ストレスなくこうスムーズに前に進んだり、ブレーキを踏む時なんかは、こう、急にカッて止まることがなく、すごく快適に乗ることができました」
と、電気自動車ならではの滑らかさを肌で感じた様子であった。
海外での生活で長距離を運転することも多いという中村選手に対し、iX3が東京から福岡や、所属チームのあるランスからバルセロナまで無充電で走破できるポテンシャルを持つことが伝えられると、驚きとともに遠出の相棒として高い期待を寄せていた。
「今後は、BMW ブランド・フレンドとして、いろいろな『歓び』を、提供していきます」と語る中村選手の今後の活動にも大きな注目が集まる。
見て、乗って、世界観を味わう。麻布台ヒルズを拠点とした体験型マーケティング
BMWは新型iX3の日本導入にあたり、ユーザーとのタッチポイントを拡大する大規模なキャンペーンを展開する。その中核となるのが、東京の麻布台ヒルズに位置するブランドストア「FREUDE by BMW」である。
この施設はノイエ・クラッセ・ショールームとして、8月31日までの期間限定で新型iX3の展示や試乗プログラムを提供する。単なる展示にとどまらず、VRを用いた試乗体験や親子で参加できる謎解きゲームが用意され、仕事帰りでも試乗を楽しめるように試乗時間が夜21時まで延長されている。
施設内のカフェ&バーでは、iX3のコミュニケーションカラーをイメージしたスペシャルドリンク「ブルー・ホライズン・フロート」が提供される。中村選手もこのドリンクを試飲し、
「レモンの香りがすごくしていて、あとミントも入ってるんですかね? 夏にぴったりなこうフレッシュな気分になります」
と見事な食レポを披露して会場を沸かせた。
また、電気自動車ユーザーの不安を払拭する取り組みとして、麻布台ヒルズの充電施設を利用したユーザー向けの特典が用意され、ブランドストア自体をチャージング・ハブとして活用する提案が行われている。8月1日からは同施設での車両購入も可能となり、体験から所有に至るまでのシームレスな環境が構築される。
新型iX3は単なるニューモデルではなく、これからのBMWが目指すモビリティの在り方を世に問う試金石である。圧倒的な航続距離と革新的なテクノロジー、そして充実した体験型キャンペーンを通じて、BMWが描く未来のモビリティをぜひご自身の目で確かめていただきたい。
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