サーキットでも一般道でも楽しめる多様性を持つ
これほどの動力性能を持ち合わせながらも、488ピスタの3.9リッターV8ツインターボはフレキシブルな一面も見せる。一般道では主に走行モード切り換えスイッチのマネッティーノを、ノーマル状態の「スポーツ」にして走っていたのだが、他のクルマの流れに乗っていると小気味よくシフトアップしていき、60km/hで早くも7速に入る。そこから加速していこうとしても、ショックを伴うことなくシフトダウン、スムーズに走らせることができるのだ。
488チャレンジと同じギアシフトパドル付きステアリングや、アルミ製フロアプレート、カーボン製ギアセレクター&コンソールなど、レーシーに仕立て上げられたコクピット。
途中、ややタイトなワインディングロードでハンドリングもチェックしてみたが、こちらは期待通り。スポーツカーらしいクイックなステアリングフィールだが、ノーズの入りも素直。リラックスした状態でスポーツドライビングを堪能できた。一般道はトータル1時間半くらいステアリングを握っていたが、快適な乗り心地のおかげで疲れ知らずだったことも報告しておこう。
フルバケットタイプのシートは基本構造にカーボンを使用。表皮をアルカンターラとすることで、軽量化が図られている。サポート性も抜群だ。4点式シートベルトはオプション。
そしていよいよフィオラノサーキットでの試乗だ。まずはテストドライバーの横でドライビングレクチャーをコースチェック。その後4ラップのフリー走行へと移る。
それまで一般道を延々と走っていたこともあって、アクセルを全開にする機会には恵まれていなかったのだが、コースイン後、そのフラストレーションを解き放つかのごとく全開加速を試みると……。