さて、今回の試乗車は今年1月に3回目のマイナーチェンジを受けた最新モデル「i3 Lodge」のレンジエクステンダー装備車である。レンジエクステンダーとは、0.65リッターの発電用ガソリンエンジンのことで、バッテリー残量が少なくなったときに走行しながらでも充電できるというものだ。バッテリー残量が5%以下になるとこのエンジンは自動的に起動されるが、バッテリー残量75%以下になれば任意に起動させることが可能。早め早めで充電していくこともできるのだ。ガソリンは9リッターしか入らないため、あくまでエマージェンシー的な要素が強いが、少なくともこの搭載によってバッテリー残量に振り回されることはなくなる。
i3に搭載されているバッテリーは、2回目のマイナーチェンジの際に走行用リチウムイオンバッテリーの電池容量を、電池サイズを変えずに22kWhから33kWhへとアップされた。満充電での航続距離はJC08モードで7割増しの390kmとなり、レンジエクステンダー搭載車なら511kmにまで伸びることになった(いずれも最良の条件での値)。3回目のマイナーチェンジを受けた最新のi3もバッテリー周りはこのスペックのまま更新されており、今回のドライブでもレンジエクステンダーを使わずにどこまでEVで走れるか興味津々であった。
試乗する前にそのi3を眺めると、1月のマイナーチェンジでフロントウインカーが横長基調となっており、マイチェン前のi3とは違ってどことなくキリッとした顔つきが印象的だ。ボディラインはフロントからリアまで流れるようなウインドウを持ち、中央のピラーをブラックアウト化することでルーフが宙に浮いているかのように見せる。マイナーチェンジではさらにAピラーからルーフエンドにかけてシルバーのラインが加わり、その印象をいっそう強くした。