
ボルボ XC60で初夏の北海道へ
ガソリンモデルより半年以上遅れて上陸したXC60のディーゼルモデル。前号では金沢への旅をお届けしたが、今回の舞台は北海道。しかも2日間で1000kmあまりを走破するというスケジュールだ。XC60はここでも頼もしい走りを見せてくれた。
充実の安全装備と基本性能の高さが◎
初夏の北海道をXC60ディーゼルで1泊2日のロングツーリングをしませんか? そんな魅力的な誘いがボルボ・カー・ジャパンから舞い込んできた。この時期彼の地は、新緑溢れる景色が堪能できるはず。早速新千歳空港からステアリングを握り、走り出した。
今回のルートは初日に新千歳空港から稚内・宗谷岬を経由し網走へ。翌日は道内を横断して新千歳へと帰る、延べ1000kmあまりの行程だ。まずは札幌から約15km離れた場所にあるスウェーデンヒルズに向かう。ここはベニカラ色の外壁で彩られた家屋が建ち並び、ボルボの故郷の街並みが広がるステキなロケーションだ。XC60はまさにこの風景に溶け込んでいた。
ここからは一路北へ。稚内へ向かう国道231-232号線は、左手に海岸線、右手に丘陵地帯を眺めながら進む気持ちの良いルートだ。海からの風が強いこの地帯は、ところどころ風力発電の風車が立ち並んでおり、それを横目で見ながら一般道をひたすら走る。時折荒れた路面もあったが、XC60はしなやかなアシで何事もないかのように通り抜けていく。
そうして稚内&宗谷岬に到着したのはもう夕刻近くだった。ここから網走へはまだ300km以上もある。途中地平線まで直線路が続く絶景ポイントのエサヌカ線で撮影しつつ向かう頃には、あたりはすっかり闇に包まれていた。
そんなとき、非常に心強かったのはアクティブハイビーム機能。これは周囲に明るいものや車両がないときは常にハイビームで、対向車が来たときや前方車両に追いついたときなどに配光を自動調節するもので、それ自体も便利なのだが、道内では人気のない道で様々な動物に遭遇する機会がよくあるため、自動で遠くを照らしていてくれるのは動物の早期発見に役立つのだ。事実、網走への道中では何度か動物がクルマの前を横切ることがあり、一度はヒヤリとする場面もあったが、幸いにも衝突することがなかったのはこの効果によるものも大きかっただろう。
明けて翌日、道内を横断するルートで新千歳空港へと向かう。道東自動車道が始まる足寄までの国道240-241号線は、狭いワインディングが続く道もあったが、多少ハイペースでもXC60は常に安定した走りを見せる。2.0リッターディーゼルは豊かなトルクで登りでもストレスを感じることなく1.9トン近いボディを軽々と走らせる。ハンドリングもほど良くスポーティで、コーナーも存分に楽しむことができた。その後高速では、ACCとステアリングアシストのおかげで、新千歳空港まではあっという間だった。
今回1000kmあまりを走破して驚いたのは、これだけのロングドライブでもほとんど疲れを感じなかったことだ。これはもちろん運転支援機能に因るものもあるが、やはりシートの出来やステアリングフィール、そして乗り心地など、クルマの基本性能がしっかりしているからにほかならない。そんなXC60の良さを再認識した旅であった。
Specification
■全長×全幅×全高=4690×1900×1660mm ■ホイールベース=2865mm ■車両重量=1880kg ■エンジン種類/排気量=直4DOHC16Vディーゼル+ターボ/1968cc ■ 最高出力=190ps(140kW)/4250rpm ■最大トルク=400Nm(40.8㎏-m)/1750-2500rpm ■トランスミッション=8速AT ■サスペンション(F:R)=Wウイッシュボーン:マルチリンク ■ブレーキ(F:R)=Vディスク:ディスク ■タイヤサイズ=235/55R19 ■車両本体価格(税込)=6,790,000円