
大画面ナビのスタンダード化を狙う
パナソニックは誕生から15周年を迎えたカーナビブランド「ストラーダ」の2018年夏モデル新製品を発表、大画面ナビ「DYNABIG(ダイナビッグ)」をイチ押しモデルとして展開してきた。ここでは、発表されたニューモデルの概要をお届けしよう。なお「2018年夏モデル」は10月からの発売を予定している。
350車種対応を誇る大画面「DYNABIG」
CN-F1XVD
パナソニックによると、カーナビの大画面化はメーカー純正ナビでは進んでいるが、市販ナビではわずか10%程度で、あくまで2DIN規格に収まる7インチナビが大半という状況だ。
そこでパナソニックでは、独自のフローティング構造で成功を収めたDYNA BIG「CN-F1D(2016年6月登場)」の後継機をリリース。2018年のテーマを「大画面カーナビ(市販ナビ)を業界標準へ」として、対応車種を軽自動車から輸入車まで350車種以上とすることで、スマホのナビアプリなどが普及する中でも、市販ナビの価値と存在感を示したい考えだ。
ストラーダ2018年夏モデルの主役となる、その「DYNABIGスイングディスプレイ」搭載9型大画面モデルは、業界唯一のブルーレイディスク(BD)に対応する「CN-F1XVD(店頭予想価格18万円前後)」と、同じく9型大画面でDVD対応の「CN-F1DVD(店頭予想価格13万円前後)というふたつの大画面モデルを用意した。
高画質映像のブルーレイに対応するモデルは、左右角度および前後角度調整、奥行き調整、上下スライドなどの多彩な調整機能で全席で見やすい。DVD対応モデルは、前後角度と奥行き調整、上下スライドに対応。左右角度は調整できないが、手頃な価格も魅力といえるだろう。
ちなみにブルーレイディスクに対応する最上級モデル「F1XV」は、外光やギラつき、反射を抑える「ブリリアントブラックビジョン」と、斜めから見ても鮮やかな色を再生できるISP液晶が搭載され、視認性をさらに向上させたのがトピックスだ。
「汎用大画面化」「安心・安全」「インフラとトレンドへの対応」をコンセプトに掲げたこの大画面ナビ「DYNA BIG(ダイナビッグ)」は、装着(取付)性、視認性、デザインの面において、市販カーナビ業界に大きなインパクトを与えるだろう。
7インチ規格モデルも用意
CN-RX05WD
CN-RX05D
そのほか、「RXシリーズ」として、7インチの200mmワイドモデル「CN-RX05WD」、同じく7インチで180mmモデルの「CN-RX05D」を展開。こちらはともに、ブルーレイ対応で、店頭予想価格はともに12万円前後だという。
CN-RE05WD
スタンダードモデルでは、200mmワイドモデル「CN-RA05WD」「CN-RE05WD」、180mm用の「CN-RA05D」「CN-RE05WD」を設定。ブルーレイには対応しないが、DVDや地デジ、CD、USB、SD、iPodなど多彩なソースに対応する。店頭予想価格は9万円前後だ。
新しい「ストラーダ」は逆走検知機能を追加
前述の通り、パナソニック「ストラーダ」の2018年モデルは、9V型大画面ながら専用パネル不要で350車種以上に取付可能なダイナビッグの「F1VX」「F1DV」をはじめ、ブルーレイ対応7インチモデルの「RXシリーズ」と、DVD対応モデル「RA(RE)シリーズ」を用意しているが、この4モデルには安心・安全運転サポートとして新たに逆走検知警告/逆走注意アラームを搭載。社会問題化している高速道路での逆走をドライバーに知らせる機能で、料金所手前Uターンは100%カバーし都市間高速は約99%カバーするという。
さらに、信号情報活用運転支援システム(TSPS)にも対応。こちらは、別売オプションのETC2.0車載器「CY-ET2500VD」を組み合わせれば、一般道路上にある高度化光ビーコンの情報をもとに、交差点で減速を促したり発進遅れなどを告知する機能が使える。
例えば、ナビ画面上に信号機が表示され、青信号の場合は表示のみの「信号通過支援」で音声案内なし、「赤信号減速支援」は表示と音声で、早めのアクセルオフを促す。さらに、赤信号での停車時、ドライバーに信号が赤から青に変わる残り時間を表示する「発進遅れ防止」の3パターンが用意されるのだ。
ほかにも、速度規制30km/hの生活道路「ゾーン30」と呼ばれる地域に進入するとカラーで表示。速度超過をすると音声とポップアップで警告する。なお、安心、安全面では、従来モデルと同様に、速度制限や一時停止案内といった道路標識情報を音声と表示(ポップアップ)で知らせる機能も搭載した。
ナビ機能では、新しいGPSチューナーの搭載による自車位置精度の向上、道路の標高情報を活用した新アルゴリズムにより、一般道と高速道路の正確な標高計測が可能になり、自車位置精度が高まっている。さらには、準天頂衛星の「みちびき」が、今まで1日8時間しか日本上空を滞空しなかったのに対し、昨年の打ち上げにより、3機が8時間ごとに日本上空に現れることで、24時間カバーできるようになった。これにより、即位率の向上が図られているという。
ルートガイドでは、時間・距離の増減がひと目で分かる「新旧ルート」比較が新たに盛り込まれるなど、利便性の向上を実現したのも朗報といえそうだ。なお、2018年夏モデルは、今年10月からの発売予定となっている。