価格が3万ドル以下の廉価仕様も
ホンダが誇る高性能ハッチ、「シビック・タイプR」のテスト車両2台がキャッチされた。ご覧の通り、そのカムフラージュは軽度なのだが現行型はデビューして1年ほど。アップデート版の導入にしては、テスト車が路上に出てくるタイミングが早すぎる。では、この2台は果たしてどのようなタイプRなのか?
まず赤いボディのテスト車だが、フロントバンパーやブレンボ製ブレーキ、リアのセンター出しトリプルエキゾーストパイプなどは現行モデルと変わらない。しかし、注目すべきはリアウイングが大幅にコンパクトなこと。現地からの情報によれば、なんとホンダはタイプRに廉価モデルの追加を予定しているそうで、この赤いタイプRはまさにそのプロトタイプなのだとか。その想定価格は3万ドル以下とのことだが、実現すれば日本仕様で450万円以上となるタイプRの敷居が大幅に低くなることを意味する。
では、白いテスト車は何者なのか? 現行型は、昨年“ニュルブルクリンクFF車最速”の称号をフォルクスワーゲン・ゴルフから奪い返したばかりで早急にパフォーマンスを向上させる必要がない状態。テストをチェックすると擬装された前後のディテールに現行車との違いを発見できるが、アップデート版と呼べるほどの変化ではない。
となれば、考えられるのは2ペダル仕様の追加やエンジンスペックの向上あたりだ。タイプRのパワー&トルクは日本仕様で320ps&400Nmとハイチューンだが、量産2リッターで最強というわけではない。また、組み合わせるギアボックスは6速MTのみで2ペダルの用意がないストイックな設定だが、近年はスポーツハッチでも2ペダル仕様へのニーズは高まっている。シビックといえば最近欧州市場のディーゼル仕様に9速ATを設定したばかりだけに、“身近なタイプR”として2ペダルを検討している可能性は十分といえる。
現状、より高性能なタイプR投入に関する情報は入っていないが、欧州では廉価モデルが10月のワールドプレミアを予定しているというウワサが流れている。秋に向けて日本勢最強のスポーツハッチ、シビック・タイプRの動向には目が離せなくなくなりそうだ。