清水和夫のDST

ポルシェ・マカン vs レクサスRX200t、ともに健在するブレーキフィールだが総合的には!?【清水和夫のDST】#66-2

総合的にはマカン優勢だが安心のブレーキフィールはともに健在

発進加速で気になるのはギアボックスのタイプだ。トルコンATならジワッとトルクがタイヤに伝わるが、ツインクラッチだとダイレクトにトルクが伝わるので発進が乱暴になりやすい。AMGは独自に開発したツインクラッチで制御を緻密にすることでスムーズに発進できるが、トラクションコントロールは頻繁に介入する。その理由はリアのトラクション性能の差にある。フロントエンジンは、どうしてもリア荷重が足りないので、トラクション性能が得にくいのだ。ブレーキの利きはどうかというと、「さすが」という印象だ。ほとんどポルシェと同じ性能を持っているといえる。気になったのは、ブレーキペダルが体の真ん中より少し左側にあること。まさか左足ブレーキを推奨しているのだろうか!?

PORSCHE MACAN
●加速:0.36G(★★★★)
●減速:0.98G(★★★★)

今回からドリフトボックスを使って加速減速度を測定した。レクサスRXの実測重量は2035㎏(燃料満タン)。ライバルのマカンよりも約200kgも重いが、これはボディサイズがマカンよりも大きいのでやむを得ない。RXは現在レクサスの主力SUVなので内装もかなり豪華だ。エンジン単体のパワーとトルクではマカンに及ばず、車両重量も重いのと、ワイドなギア比もあって、ここでは負けということになるだろう。トルコン6速ATの発進はスムーズだが、2速ギアで5000rpm以上の伸び感が足りない。変速もスムーズだがDCTのようなダイレクト感がないのは残念だ。しかし、ブレーキはしっかりと踏み込める安心感のあるフィールだし、ABSも信頼感が高い。利きは平均的だった。

LEXUS RX200t
●加速:0.32G(★★★)
●減速:0.95G(★★★)

ル・ボラン 2016年3月号より転載

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