脱ディーゼルを宣言
欧州でディーゼル離れが進んでいるが、それでも現時点で4割近い人がディーゼル車を選んでいる。一方で電動化とディーゼルの双方を存続させることによるコスト増を避け、将来を見据えて電動化へと舵を切るメーカーも増えてきている。そんななかでポルシェもスポーツカーメーカーとして電動化推進の姿勢を明らかにし、ここにきてディーゼルからの撤退を宣言。すでにボルボはディーゼル撤退を表明しているが、ドイツメーカーではポルシェが初となる。
2017年のポルシェ世界販売に占めるディーゼル車のシェアは12%と1割を超えている。911などスポーツカーにはディーゼルの設定はないが、カイエンやマカンなどSUVモデルでのディーゼル人気は低くなかった。一方でハイブリッドモデルの人気は年々高まっており、パナメーラでは63%のユーザーがハイブリッドを選んでいる。
ポルシェは今年2月には2022年までに60億ユーロ(約7800億円)を電動化に投資する計画を明らかにしており、ピュアEVスポーツカー、タイカンの開発もその一環にある。ディーゼル排ガス不正のあったフォルクスワーゲングループの一員として、電動化推進に力を入れるという面もあるだろう。2025年までにはポルシェ車全体の半分をハイブリッドもしくはEVとする構えで、スポーツカーへのハイブリッド搭載も視野に入っているようだ。
また、ポルシェはすでにディーゼル車を購入したユーザー向けには、自社サイトにFAQを設け、リコールに対するソフトウェア・アップデートの不安に応えるサービスも実施し、サポートを充実させることでブランドイメージ悪化を防いでいる。ドイツにおいてディーゼル車の需要はまだ根強いようだが、このポルシェの方針がプレミアムSUVを販売している他のメーカーに影響をおよぼすことになるのか。そのあたりにも注目したい。