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神様=ローブ様! カメラマン山本佳吾の【WRCエスパーニャ】漫遊リポート

情熱の国に元チャンプ集結

日本とヨーロッパを往復するのって、お金はもちろん時間も体力もそれなりに大変なんだけど、男の子としてここは行っとかなアカンやろ、ってことで、WRCラリーGBに続いて第12戦ラリー・エスパーニャ(10/25-28)に行ってきました。

ちょっと無理して行った理由その1。ポロGTI R5のデビュー。フォルクスワーゲン(VW)がポロWRCでの参戦をやめて以来、久々に舞台に戻ってきました。トップカテゴリーではなく、ひとつ下のWRC2への参戦。ドライバーはエリック・カミリと、日本でもおなじみのペター・ソルベルグ。ふたりはマシンの開発にも携わっていて、満を持しての参戦です。前評判でもそれなりの好成績が期待されていたけど、予想以上に速かった! ちなみに、前のポロWRCのデビューもここスペインでした。

VWのサービスには同じくR5マシンを持つヒュンダイのスタッフも偵察に。

日本でも大人気だったペター・ソルベルク。兄のヘニングも参戦していて久々の兄弟対決。

ちょっと無理して行った理由その2。セバスチャン・ローブも久々の参戦。最近、成績がイマイチなシトロエン。神様=ローブ様に頼りたくなるのも分かります。ここで気づいたアナタはラリー通。そう、ソルベルク、ローブ、オジェと3人のチャンピオン経験者がここに揃ったんです。ね? これはもう行かざるを得ないでしょ?

ドリフトアングル少なめのスムーズな走り。あのローブが帰ってきましたよー!

なんかもう貫禄というか風格が出てきた感じがします……。

そして、ちょっと無理して行った理由その3。ケン・ブロックも久々の参戦。毎度毎度、ド派手な映像を世に送りだすケン・ブロックのフィエスタWRCは、カラーリングもなんとなくアメリカンな雰囲気。正直、ラリーでの成績はイマイチだけど、派手な走りが魅力的なドライバーです。デモランは見たことがあるけど、ラリーでの走りは初めて見ました。なんでもない場所で転倒してリタイアしてましたが、そこがまた彼らしい(笑)

靴屋(DCシューズ)の元社長さんももう50歳なんですね。元気なおっちゃんです。

と、3つほど今回の目玉を紹介してみましたが、他にも、スペインは現在の世界ラリー選手権で唯一のミックスサーフェイス(舗装路とダートの両方がステージ)で、写真的にはひとつぶで2度美味しい的なイベントでもあります。参戦してる方は大変だと思うんですけどね。金曜の最終サービスで、ダート仕様から土曜日曜の舗装仕様に変更するわけですから。さらに、セバスチャン・オジェ(フォード)、ティエリ・ヌービル(ヒュンダイ)、オット・タナック(トヨタ)のチャンピオン争いが、ひょっとしたらスペインで決まるかも! なんてボクの予想もあったわけです。結果的には最終戦オーストラリアに持ち越しましたが。

最近、とにかく速いタナック。スペインでも速さを見せるもパンクで脱落。

不利な出走順のオジェだけど、追い込まれた時の地力はさすがチャンピオン。

ここに来て調子があがらないヌービル。ベルギー人初のチャンピオン獲得なるか?

 

まさかの雨! まさかのローブ!

スペインの特徴というと、ポルトガルと同じく熱いギャラリーが多いこと。そりゃまあマタドールとフラメンコの国ですからねえ。他所のラリーよりもコースに近いところで観戦しているギャラリーが明らかに多いんです。それが原因で警察が出動したり、最悪なのがステージがキャンセルされたりなんてことも。昔は当たり前の光景だったけど、最近はラリーに限らず、世知辛い世の中になりました。
そして、ゴハンが美味しいこと! ラリー観戦とスペイン料理は切っても切り離せません。レースと違って待ち時間が長いラリー。やることと言えば酒飲むかメシ食べるかですからね。ステージ近くのバルやレストランはギャラリーでいっぱい。

店内に入りきらず、外にもお客さんがいっぱいです。みんな飲んでるけど帰りの運転は大丈夫なのかなぁ?

今年は例年以上にギャラリーが多く、あっちこっちで大渋滞。かなり時間に余裕を持って移動してたんだけど、それでも渋滞に巻き込まれて間に合わなかったステージもありました。グーグルマップを活用して、とにかく裏道へ逃げて頑張りましたよ。とんでもない道に案内されたりもしたけど。海外での観戦の際はカーナビやグーグルマップを使いこなすことが重要です!

この場所はまだマシなほう。このあとステージ手前約2kmでクルマが全く進まなくなりあきらめました。

で、大渋滞が起こったって選手は時間までに次の場所にたどり着かねばなりません。そんな時どうするかというと、反対車線を爆走したり、追い越しまくったりするわけです。国によっては警察車両が先導してくれたりもするんですけど。ただ、あまりにご無体な走りをしていると、捕まってしまうんですねえ。個人的には取り締まりするんじゃなくて、先導してあげるくらいの配慮があってもいいと思うんですけどね。

ということで、あまりに無茶がすぎるとこのように捕まってしまいます。

トップカテゴリーの走りもスゴイけど、ボクは下位カテゴリーの走りを見るのが好きなんです。とくに若手ドライバーが凌ぎを削るクラスとかは、見ててハラハラして楽しいものがあります。この中から将来のワークスドライバーが出てくるやもしれませんし。ラリー・エスパーニャでは、スペイン、ポルトガルで開催されているプジョーラリーカップ・イベリアが併催されていました。208R2のワンメイクで参加者は若手が中心。ここを卒業してジュニアWRCにステップアップ。その後WRC2へ、というのが流れかな。ま、中には若くしていきなりWRC2に参戦して勝ってしまうロバンペラの息子みたいなのもいるわけですが。

プジョーラリーカップのサービス風景。手前の黄色い208はRACC、日本でいうとJAFのような団体がサポートしています。JAFもこういう活動してくれたらいいのになあ。

ラリーGBに続いてWRC2で2連勝のロバンペラ。末恐ろしい18歳です。

ところでスペインっていうと、温暖な気候で天気もよくて、みたいなイメージじゃありませんか? 実際一昨年に行った時はそうだったんですけど、今年は土曜日だけめちゃくちゃ寒くてしかも雨。荷物を減らしたくて上着をケチってたボク。寒かったー(泣)。おまけに、綺麗なターマックで撮影するつもりが雨だし、インカットで掻き出された泥で路面はまるでダート。これじゃ走る方も大変だろうなぁ。

雨だし寒いし、ターマックなのに泥だらけでツルツル。お客さんもカメラマンも選手も修行ですね、こりゃ。

声援がイチバン大きい地元のヒーロー、ダニエル・ソルド(ヒュンダイ)。だけど地元では勝てないんですよねえ。

ラリーのリザルトはというと、なんとなんとローブが勝っちゃいました。若いやつらを差し置いて、スポット参戦のおっちゃんが勝つなんて、これもラリーなんですねえ。え? なんでポディウムの写真がないかって? 実は仕事の都合で日曜の午前中までにロサンゼルスに到着しないとダメで、日曜ド早朝の飛行機で移動してたんです。ロサンゼルスに着いて真っ先にリザルトを確認してビックリ。あー、日曜まで撮影したかったなぁ。

土曜深夜、正確には日曜の午前3時に夏時間から冬時間に変更されました。1時間多く寝られてお得、なのか? 朝5時半発の飛行機だったので起きてたんですけどね。時計が1時間戻る瞬間も見てました。

フォト&リポート:山本佳吾 K.Yamamoto

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