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SクラスとEQSが同一ラインに。内燃機関とEVの混流生産を実現したメルセデス最先端工場の全貌

メルセデス・ベンツ、ジンデルフィンゲン工場で最高峰3モデルの生産を同時立ち上げ

メルセデス・ベンツはドイツのジンデルフィンゲン工場において、改良型「Sクラス」「メルセデス・マイバッハ Sクラス」、そして電気自動車の「EQS」の生産を順調に開始したと発表した。わずか3ヶ月という短期間でこれら最上位3モデルの量産を立ち上げたことは、同工場の高い技術力と生産体制の柔軟性を明確に証明するものだ。

【画像29枚】Sクラス、マイバッハ、EQSが単一ラインを流れる様子。最先端『ファクトリー56』の内部を写真で見る

単一ラインでの高度な混流生産

今回生産が開始された3つの旗艦モデルは、すべて同工場内にある「ファクトリー56」の単一ラインで製造されている。完全な電気自動車であるEQSと、ハイブリッド駆動システムを搭載するSクラスなどを、搭載するパワートレインの違いに関わらず同じラインで滞りなく組み立てられるのが最大の特徴である。

この混流生産は生産現場の極めて高い柔軟性によって実現しており、市場の需要変動に対しても各モデルの生産量を迅速に調整することが可能だ。極めて短期間で最高級車の量産体制を確立できた背景には、同工場で働く従業員たちの高いスキルとパフォーマンスが存在している。

無人搬送車とAIが支える最先端の生産拠点

ファクトリー56は、自動車業界における未来の生産を体現する施設である。従来のベルトコンベア式組み立てラインは姿を消し、代わりに400台以上もの自動無人搬送車が工場内を行き交い、部品や車両を各ステーションへと柔軟に運んでいる。また、工場内では人工知能や同社独自のオペレーティングシステムも活用されている。

すべての組み立て工程は同社のデジタルエコシステムに統合されており、従業員はプラットフォームを通じてリアルタイムで生産データにアクセス可能だ。さらに同工場はカーボンニュートラルな設計となっており、太陽光発電や再利用された車載バッテリーを利用する蓄電システムを備えるなど、持続可能な生産活動を実践している。

効率的なサプライチェーンと特別な特注対応

同社は、主要な部品を組み立て工場の近隣で生産する地産地消の戦略を推進している。新型EQSに搭載される高性能バッテリーは工場敷地内で製造され、電気駆動ユニットやアクスルはわずか20km離れた近隣工場から供給される。これらの部品は、必要に応じて自動無人搬送車によって直接組み立てラインへと納入される仕組みとなっている。

また、敷地内に設けられた特別施設「マヌファクトゥーア」のスタジオでは、熟練の職人技と最新の製造技術を融合させ、顧客の好みに合わせたオーダーメイドの車両を仕立て上げている。この革新的な生産システムにより、モデルを問わず1日に最大20台の特別な車両を柔軟に製造することが可能となっている。

創業140周年の節目とドイツ産業拠点への決意

2026年は、カール・ベンツが最初の自動車特許を取得してから140周年、そしてジンデルフィンゲン工場が設立されてから111周年という画期的な年である。この歴史ある生産拠点で最新鋭の車を作り続けることは、同社が産業拠点としてのドイツ国内および当該地域をいかに重要視しているかを示すものである。

同社はこのイノベーションの140周年を記念し、3台の新型Sクラスセダンで世界140ヶ所を巡るグローバルツアーを実施している。継続的な投資を通じてジンデルフィンゲン工場の競争力を高めることで、メルセデス・ベンツは地域における長期的な雇用の確保と発展に大きく貢献し、これからもモビリティの未来を牽引していく構えだ。

【ル・ボラン編集部より】

SクラスとEQS。内燃機関の極致たる重厚なフラッグシップと、専用プラットフォームからなる流麗なラグジュアリーEVという相反する2台が、同一ラインを流れる事実に驚かされる。全く異なる個性を、コンベアを持たない無人搬送車の手で平然と混流生産するのだ。パワートレインの垣根を越え、どの駆動方式を選んでも等しく最高品質を保証する。これこそが140年の歴史を持つメルセデスの、次世代における回答である。

【画像29枚】Sクラス、マイバッハ、EQSが単一ラインを流れる様子。最先端『ファクトリー56』の内部を写真で見る

※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。

LE VOLANT web編集部

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