もちろん一新された660ccターボエンジンも扱いやすく実用性十分な仕上がり
そもそもこのエンジンは、スズキが東南アジアで販売している7人乗りミニバン「エルティガ」に搭載されているユニットの縦置きリメイク版。最大トルク数値は130N・mと決して大きなものではないが、低回転からグイッとボディを押し出してくれるような感覚がある。パワーもトルクも貧弱だった先代までのM13A型エンジンとは、扱いやすさという点では比べものにならない。
一方の660ccユニットだが、スズキ車の中でも最後までジムニーで使い倒されたK6A型から、現在のスズキ製軽自動車の主幹エンジンとなっているR06A型に変更された。3代目と4代目の乗り味の違いについては後述するが、このR06A型660ccインタークーラーターボ直3エンジンもまた、低回転からよくトルクが出て乗りやすいフィーリングになるようジムニー用にリファインされている。余談だが、開発陣の話では、横置きで設計されていたR06A型を縦置き化したことは、ほぼ新造エンジンに等しいとのことだ。
ジムニーに搭載されるにあたっては、あえてアルトワークスとはかなり異なるマイルドな味付けなっている。下から上まで急激なトルクや立ち上がり方の変動もなく、自然な感じで回っていくのは、やはりオフロードでの扱いやすさを追求しているからに違いない。もちろん1500ccと比較してしまうと少々見劣りする出力だが、クロカン4WD用として考えれば、十分に合格点が取れる優等生エンジンに仕上がっている。