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主要国の2018年新車販売、先進国の伸びは鈍化

中国は首位ながら前年比マイナスに。世界総販売台数は1億台を目前に足踏みか!?

2016年が約9391万台、2017年が約9680万台と1億台も視野に入りつつあった世界の新車販売台数(四輪車=世界自動車工業会調べ)だが、2018年は伸び続けてきた中国の新車販売が減速。現時点でまだ世界総計台数は出ていないが、大台を前にして足踏み状態に入ったと見られる。2008年のリーマンショック後、2年間で約9%も減った状況の再来とはならないだろうが、踊り場に差しかかったことは確かなようだ。
ここにきて主要国の新車販売台数が出揃ったが、日本を含む上位国は微増またはマイナスとなり、400万台以上のグループで大きく伸びたのはインドのみ。ブラジルやロシアといった自動車新興国が2ケタ増の伸びとはなっているが、世界総販売台数に影響を及ぼすところまではいっていない。
続いて国別に見ていくと、世界最大の自動車マーケットとなった中国は2017年は約2912万台まで増加。リーマンショックのあった2008年は約938万台だったので10年間で3倍以上という伸びっぷりだが、2018年はそれがマイナスに転じて2808万1000台と2.8%減少。新車販売が前年割れとなったのは28年ぶりで、先進国並みの巨大マーケットとなってからは初めてのことだ。台数では2位米国に1000万台以上の差をつけて相変わらずのダントツで、減少率もさほど大きくないが、それでもこの中国の減速は自動車メーカーをはじめ各方面に波紋を拡げている。
米中の貿易摩擦により中国全体の景気が減速気味なのに加え、購入時の優遇税制が終了したのが主な要因とされており、伸び続けてきたマーケットがやや息切れ気味というという見方もできる。とはいえ人口比率でいくとまだ自動車が売れる余地はあり、伸び率は鈍化するものの年間3000万台レベルが維持されていく可能性は高い。
そして2位の米国は0.3%増と横ばいながら1727万4250台と1700万台超えをキープ。乗用車は前年比13.1%減の約549万台と減少傾向が止まらず、全体の3割程度まで減ってしまったが、SUVやピックアップトラック主体のライトトラックは8%増の約1179万台と好調を維持。シェールオイルの掘削増によりガソリン価格が低めで安定している効果も小さくないようだ。
日本は3位の座をキープしたものの、0.7%増の527万1987台と上位2国との差は大きい。軽自動車の増加によりなんとかプラスとなったものの、登録車に限るとマイナスとなっており、先行きを見通しにくい状況にある。

田畑修

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