ホンダと日野がMONETに2億5000万円を出資。モビリティサービスに本腰
トヨタ自動車とソフトバンクという巨大資本同士のコラボレーションで話題となった「MONET(モネ)」。2018年10月に設立されたこの共同出資会社モネ・テクノロジーズは、自動運転やシェアリング、配車サービスなど次世代モビリティサービスの推進や、移動にともなう社会課題の解決などを目指しているが、ここにきてトヨタとライバル関係にあるホンダがMONETへ加わることを発表。トヨタグループの日野自動車とともにMONETへ出資し、直接ではないもののトヨタとホンダがソフトバンクを介して資本提携に踏み切る形になる。
ホンダと日野自動車はそれぞれMONETに2億4995万円を出資し、その結果MONETの出資構成はソフトバンク10億500万円(40.202%)、トヨタ9億9500万円(39.802%)、ホンダ2億4995億円(9.998%)、日野自動車2億4995億円(9.998%)となる。ソフトバンクとトヨタが主導権を握るところは変わらないが、トヨタが推進する「モビリティサービス企業への脱皮」に、ホンダも協力することになる。
MONETはソフトバンクやトヨタ、ホンダだけでなく、出資はないもののコンソーシアム(共同事業体)への参加という形でメガバンク、部品メーカー、金融関連企業、航空会社、大手流通企業、飲食関連企業など88社が関わっている。モビリティだけでなく小売り、教育、医療、飲食、エンターテインメントにいたるまで幅広いネットワークの構築を目指し、その活動のためのプラットフォーム構築をMONETが担うことになる。さらに中核企業にホンダや日野が加わったことで、日本における次世代移動サービス事業(MaaS)の展開にも拍車がかかることになりそうだ。
欧州でもダイムラーとBMWがモビリティサービスで提携するなど、従来では考えにくかった形の協業が始まっており、その主導権争いの激化も予想される。なかなか全貌がつかみにくいモビリティサービスの世界だが、トヨタとホンダの提携がその世界で新たな力を生むことになるのか。これからも目が離せない状況が続きそうだ。