フォルクスワーゲン

第一印象でこのVW・パサートに決めました【旧車ビギナーは要注意!100万円でドロ沼に陥る!?】

カー・マガジン編集部員がこれは!と思った趣味グルマを紹介する『100万円でドロ沼に陥る!? 』。今回はいつもの売り物紹介ではなく”買った編”。ポルシェ911や、ホンダS800を乗り継いだ。本誌広告担当ホンダが選んだVWパサートはドロ沼への入り口なのか!?

少々やれてはいますが、V6・2.8Lエンジンの気持ち良さは大満足

<購入の決め手はコレ>若草色のようなボディカラーはフレスコグリーンメタリック。明るく大好きな色合いで、購入に踏み切る大きな要因でした。所々変色はありますが、磨けば輝きを取り戻しそうです。ちなみにワゴンは3台目で、これまでにスバル・ランカスター、ボルボ850エステートを乗り継いでいます。

2017年の5月、石川県加賀市にある老舗スペシャルショップ『ガレージフクモト』へ打ち合せで訪問した時のこと。福本社長とツーリングと併せてクルマ談義にも花が咲き、コレクションされているヒストリック・ポルシェを見せていただくことに。そして保管場所まで移動する際に、言葉は悪いですがナンバーなしで放置されていた若草色のVWパサートV6フォーモーションが目に留まったのです。

<トルク豊かでなおかつ静か>搭載されるのは2.8L V型6気筒エンジン。6気筒狙いだったのでこれは外せません。トルクがあり滑らか。そしてやはり、VWのフラッグシップモデルとあって静か。40半ばを過ぎると、安楽に乗れるラグジュアリーなクルマは良いですね。

思わず福本社長に「このクルマどうしたんですか?」と尋ねると、「前のオーナーが大事に乗っていたんだけど、車検が切れるタイミングで別のクルマへ乗り換えたので下取りしたクルマなんだ。走行距離はちょっと伸びてるけど、コンディションは上々。でも2.8Lで税金が高い事もあり、なかなか売れないんだよ。でも廃車にするには勿体ないんで置いてあるんだ」との事。

<汚れは目立ちますがお気に入り>内装はオプション設定だった革張りのベージュです。運転席には使用感がありますが、助手席、後席ともコンディションは上々。色移りが心配なので、しばらくジーパンで乗るのはやめておきます。

目下私は、”6気筒エンジン”をキーワードに次のクルマを探しており、まさにこのパサートもリストに入っていました。若草色のフレスコグリーンメタリックのボディ色。さらにインテリアの、汚れが目立つからと敬遠しがちなベージュも私の大のお気に入り。これは良い。単刀直入に欲しい、乗りたいと思ったのでした。

<現状渡しではありますが……>そのまま受け取る予定でしたが、お言葉に甘えてひと通りチェックしていただきました。ドキドキの現状渡しですがまずはひと安心。

上質でラグジュアリーな乗り心地が好印象

そこで即決できないのが悲しいところですが、帰京後タフネゴシエーターの家内に最終判断を仰ぎました。幸運なことに「そのカラーだったらいいじゃない」とあっさりとOK。”鉄は熱いうちに打て”という故事に倣って、仮ナンバーを用意して再びガレージフクモトさんへ。通常、納車整備で時間がかかるところですが、現状渡しでもOKとのことでしたので、すぐに引き取りに行ったという訳です。

<社長自ら作業 & アドバイス>この年代では定番症状といえるエアコン吹き出し口から劣化したスポンジが出てきてシートに付いていたのですが、福本社長自ら掃除機をかけてくれました。その他、プラパーツやヘッドライトを綺麗に保つためのアドバイスもいただきました。

現状渡しと言えばそのまま引き取るのが通例ですが、ご厚意でエンジンオイル、クーラント、バッテリー、タイヤ空気圧、ブレーキ関連。さらにリフトアップして、クルマの下周りまでチェックしてもらいましたが異常なしでひと安心。約9万km走行時にオイルにじみがあった際、フクモトさんでタイミングベルトも合わせて交換したという記録が残っていました。
ひと通りのチェック後、車検整備を受けるため、加賀市から知人が働く横浜の整備工場を目指します。15年前のクルマとはいえやはりフォルクスワーゲンのフラッグシップモデル。上質でラグジュアリーな乗り心地が好印象でした。
まあ、良い発見ばかりではなく車検整備をお願いした知人からは、オルタネーターが弱っている。タイヤは履き替えた方が良い。ABSブレーキが怪しい。それからパワーウィンドーのレギュレーターが壊れる時期に入っているから、オートでの開け閉めは控えるようにとアドバイスを受けました。また、2.8Lで車重は1.6トンを超えるため、自賠責、自動車税、重量税で12万円超え。プラス車検整備で予想以上の金額になってしまいました。
とはいえ、V6・2.8Lエンジンの気持ち良さと、少々やれてはいますがラグジュアリーな乗り味は大満足。まだ700kmほど走った程度ですが、ドロ沼の入り口は見えず、第一印象を信じて突き進むのは吉! と出ています。

<出走前に最後のチェック>ホイールを外してブレーキ周りのチェック。その際に、横浜の整備工場まで走行するのでタイヤの空気圧を少々高めにしてもらいました。オイルレベルゲージでエンジンオイルのチェック。汚れは問題なしですが、少々量が少なかったので継ぎ足してもらいました。ドライブシャフト、デフ、プロペラシャフト、また足まわりやマフラーなどの排気系も異常なし。冬は4モーションの真価を体験すべく、雪山へ出撃する予定です!

2002 VOLKSWAGEN PASSAT V6 4MOTION
車両本体価格:20万円

ラグジュアリー度:★★★★
実用度:★★★★
ドロ沼度:★★

手元に来てから700km程度しか乗っていませんが、噂通り燃費はあまり良くないです。高速巡航でリッター約11km。街乗りは8kmぐらいです。その代わり、ボティサイズの割に車内は広く、座面の大きな電動パワーシートでラグジュアリー度は高いです。中古車の場合、オーナーが代わるといろいろ壊れだすと言いますが、オルタネーターが弱っていました。早速交換ですね。その他では車内のプラスチック部分のベタ付きやタイヤの劣化が気になりますが、これは経年変化なのでしょうがない!

【SHOP INFORMATION】
カーサービスフクモト
住所:石川県加賀市大聖寺敷地町チ20/電話:0761-73-3696/営業時間:9:00-19:00/定休日:月曜日

Text:本田和央/Photo:山本佳吾 Car MAGAZINE(編集部)/カー・マガジン471号(2017年9月号)より転載
CAR MAGAZINE編集部

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