
「50 Years of the Porsche 917—Colours of Speed」と名付けられた特別展
5月14日から9月15日までの予定で、ドイツ・シュトゥットガルトにあるポルシェ・ミュージアムでは、ポルシェ917の誕生50周年を祝う特別展『50 Years of the Porsche 917—Colours of Speed』が開催されている。
4月にイギリス・グッドウッドで行われた『77thグッドウッド・メンバーズ・ミーティング』の会場において、5台の917を集めたトリビュート・ランが行われたことは、本サイトでもご報告した通りだが、今回の特別展はその規模をさらに上回る10台の917を含む14台の展示車両、エンジンなどのパーツ、ウエアやクレイモデルなどのメモラビリアが集められた。
その最大のトピックは、昨年レストアが完成したばかりの第1号車、1969年型917-001から、1970年、71年のル・マン優勝車917K、ロングテール・ボディをもつ917LH、そのずんぐりしたフォルムから”ピンク・ピッグ”とあだ名がつけられた917/20、さらに北米Can-Amシリーズのために開発されたオープンボディをもつ917PA/16、917/10、917/30と、917一族を代表するモデルが一堂に会したことだ。
本邦初公開の希少モデル展示も
しかもポルシェに初のル・マン総合優勝をもたらしたザルツブルク・チームの917K(917-023)は、今回のためにイギリスのコレクターから特別に借り受けて展示しているもの。この917-023とポルシェ・ミュージアムの所有する71年の優勝車917K(917-053)が同じ場所に並ぶのは非常に珍しく(もしかしたら、これが初めてかもしれない)、その光景を見るためだけでもシュトゥットガルトに足を運ぶだけの価値はあると断言できる。
このほかポルシェ初のターボ・マシン、1972年型917/10を筆頭に、その技術を応用して74年のル・マンで2位に入った911RSRターボ2.14、1975年に初のロードカーとして発表された911ターボ(展示車は74年製造の試作1号車でルイーザ・ピエヒに贈られたもの)と、ポルシェ・ターボの開発の過程が、エンジンのカットモデルなどを駆使して展示されていたり、ショートテール、ロングテールの空力特性の違いを模型を使って実験することができたりと、ベテラン、ビギナー、老若男女問わず楽しめる工夫がなされているのも特徴のひとつ。
ドイツに行く機会があるならば、ぜひ立ち寄っていただきたい特別展である。
■ポルシェ・ミュージアム
・所在地
Porsche Museum
Porscheplatz 1
D–70435 Stuttgart-Zuffenhausen, Germany
・開館時間
火~日
9:00~18:00(入館受付は17:00まで)
月曜休館
https://www.porsche.com/japan/jp/aboutporsche/porschemuseum/