
清水和夫のダイナミック・セイフティ・テスト(Dynamic Safety Test)
Number91(SEASON.10):Sクラスや7シリーズと比肩する!? ジャパンプレミアムサルーンの実力
ホンダ・レジェンド・ハイブリッドEX vs レクサスLS500h Fスポーツ/Test01:加減速テスト
●加速テスト:静止状態からフル加速し、100km/hに到達するまでの時間から平均加速Gを算出。非力なクルマは0.15G程度、高性能車では0.6Gに達するクルマもある。エンジン、トランスミッション、トラクションのかかり方といった、パワートレイン全体の能力をみる。
●ブレーキテスト:100km/hからフルブレーキング、停止するまでの時間から平均減速Gを算出する。減速Gはどんなクルマでも0.8G-1.2G程度だが、加速Gに対応した減速Gを持っていることが重要。そうでないクルマは危険といえる。
ホンダ レジェンド ハイブリッドEX vs. レクサスLS500h Fスポーツ(加速&減速編)
先代から明らかに向上した加減速性能。結果もフィールもレジェンドが優勢
LEXUS LS500h F SPORT
加速:0.44G(★★★★☆)/ 減速:1.05G(★★★★☆)
V6自然吸気のエンジンと10速の電気CVT、これに2モーターを組み合わせたストロングハイブリッドなので、ローギアードで発進が行なえ、スタートの際はモーターのトルクでグッと重い車体をスッと加速させる。しかし60km/hからのエンジンパワーの伸びがいま一歩で、やはり2.3トンの車量が加速に影響を与えているようだ。ブレーキはバイワイヤー式なので、タイヤがロックした時、ABS作動によるペダル振動はなく、ソリッドなペダルフィールはスポーツカーのようだった。ただしウェット路面ではどれくらいの踏力でタイヤがロックするのか、探る必要があった。ABSとしての機能、制御面は合格点レベル。
HONDA LEGEND HYBRID EX
加速:0.42G(★★★★☆)/ 減速:1.07G(★★★★☆)
ギアボックスはデュアルクラッチの7速DCTだが、発進時はモーターが3つもあるため、とてもスムーズ。20km/hからは、エンジンがパワートレインの主力となり、V6自然吸気ユニットが本領を発揮する。また発進時はリアアクスルの左右独立モーターが機能してAWDとなるため、予想以上にスポーティな走りを味わえた。ブレーキング時にはGフォースの立ち上がりがガツンとこず、やんわりと効く感じで、ウェット路でもタイヤのグリップが十分に得られていた。ABSの制御はキメ細かく正確であり、エンジニアが意図したのかどうかは不明だが、初期制動はメルセデスのSクラスに似たフィールだった。