ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを獲得した性能と魅力は今も健在
今回の取材で驚いたのは車内居住空間の快適さだ。フロントはもちろん、リアシートも厚みのあるクッションが採用されており積極的に使いたくなる。これなら、家族で乗っても不満が頻出することはないだろう。
色落ちしやすいボディ色だが、現車に限ってその言葉は当てはまらない。スポーツグレードらしく、フロントスポイラー、サイドスカート、リアウイングを装着する。
ドライバーズシートこそ最高! と思い込み、シフトレバーを操作して運転を楽しんでいるだけでは、405の本質は分からないと思ったほどだ。
ホイールはスピードライン製の5スポークで、タイヤサイズは195/55R15。現在のモデルと比較するとかなり小径だが、マッチングはすこぶる良い。
これだけの個体はそうそうないだろうと思ったものの、ネットで検索してみるともっといいタマがゴロゴロしているなんてこともあるが、大手中古車検索サイトでチェックしてみると、405のヒットはなんと1台のみ。これほど減ってしまったんだと痛感すると同時に、405を探している方はチェックすべき1台だと確信した。
トランクはボックス型で開口部が広く、またスペースも豊富に用意されている。ファミリーカーとしても活躍してくれるはずだ。
そんな思いは、プジョー106を3台も乗り継ぎ、現在もテンサン・ラリーを所有する山本カメラマンが、車両価格を聞きくと同時にお金の計算をはじめたことを見てより強くなった。
デザインは、プジョーとピニンファリーナの共同作業によるもの。奇をてらったデザインではないが、心を惹きつける。取材車は後期モデルのためリアガーニッシュは備わらない。
1993 PEUGEOT 405 MI16
車両本体価格●780,000円
M/Tファン度 ★★★★
リア快適度 ★★★★
ドロ沼度 ★★
10万km少しを走っているため、低走行車をお探しの向きはオススメできないが、距離と年式からは想像できない程に良好なコンディションが保たれている。スポーツモデルのイメージが強いMI16だがファミリーカーとしてもオススメ。硬いシートはお断り、なんていう助手席専門家も納得すること間違いなしの居住性と実用性だ。
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