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黄金時代の残り香を感じる大排気量フルサイズセダン、キャデラックコンコース【旧車ビギナーは要注意!100万円でドロ沼に陥る!?】

毎月編集部員がこれは! と思った趣味グルマを紹介する”100万円でドロ沼に陥る!?”。今回は、このコーナーではあまり馴染みのないアメリカ車を取り上げます。時代に逆行するような大排気量車ですが、それゆえに車両価格は非常に安価。いま狙い目です!

コンコースの名は1代限り

1994年にフリートウッドの後継モデル、ドゥビルとして登場したが日本国内ではコンコースの名称で販売された。5mを軽く超えるフルサイズセダンで、エンジンはノーススター4.6LのV型8気筒を搭載する。

いまこそ、憧れのフルサイズに乗る!

100ドロコーナーで紹介する機会の多いモデルは、コンパクトカー。大きくともミドルサイズセダンが主流です。しかしその反動からか、今回取り上げるのは4.6LのV型8気筒エンジンを搭載したキャディラック・コンコース。なかなか接する機会のないアメリカ車ですが、乗ると良いんですよ。

前輪駆動のため、4.6LのV型8気筒エンジンは横置きとなる。最高出力は279ps、最大トルクは41.5kg-m。低速から大トルクが発生するため、サイズを感じさせない発進加速が魅力。しかし定速クルージングで長距離を移動するシーンこそ真価が発揮される。

大振りのベンチシートはふかふかで、路面からの入力は良く動くアシとエアボリュームタップリのタイヤで吸収されます。コーナーを攻めようとは思いませんが、この方向性もありです。

水平基調のダッシュパネルがもともと広い車内をより広く演出する。メーター類は全てデジタル表示だが不具合はなし。左には、平均燃費など車両情報の切り替えスイッチ。右にエアコン類の調整スイッチが備わる。

コンコースは、フリートウッドの後継モデルで、ドゥビル(DEVILLE)の名称がつけられていましたが、デビル(悪魔)と混同してイメージがよろしくないとか、デビルと言えばマフラーだ!(←これはないか?)とかいう声で、日本ではコンコースと名付けられました。ちなみにドゥビル名称は2代目から日本でも使用されるようになっています。

フロントはベンチシートのため、3人乗車が可能。サイズ、クッションの厚みとも申し分ない。後席はさらに快適なシートが奢られている。リアにバニティミラーが装着されていることが、クルマの立ち位置を物語る。

サイズを活かしたパッケージングは、コンコースならではの魅力だ

フルサイズのため、全長5335mm、全幅は1940mmと現代のクルマと並んでも存在感抜群で、現行Sクラスよりもひと回り程大きい。運転してみると確かに“デカい!”ですが馴染みやすく、クルマのサイズは掴みやすいので気になる程ではありません。また想像以上にステアリングが切れるため、車庫入れで難儀することはありませんでした。資料を見ると、最小回転半径6.4mとありましたので、万人に取り回しが容易かと聞かれると……。

ホイールはポリッシュタイプで、タイヤサイズは225/60R16。助手席はパワーシートで、ドア脇にはウインドーの開閉スイッチと併せて、エアコンの調整スイッチも備わる。純正キー、スペアキー、さらにドキュメント類も残る。トランクは開口部、奥行き、深さともに広い。

車内に入ると確かに広い。現代車のようにドリンクホルダーやオーバーヘッドコンソールを効率的に配置してスペースを稼ぐなんてことはなく、単純に広いスペースが用意されています。ベンチシートのため、前後各3人の6人乗車が可能で、駐車スペースさえ確保できればこれまでのクルマ趣味を変える刺激的な体験が出来ることは間違いないでしょう。

テールランプのデザインは、テールフィンが全盛だった時代を髣髴とさせるとともに、リアスタイルの特徴ともなっている。

重量税の割り増しなどで、はっきり言って税金などの維持費は高い。それでも車両本体価格を合わせてトータルで考えると、コンコースにこの値段で乗れる今は、狙い目と言えます。

1997 CADILLAC CONCOURS

車両本体価格●380,000円

ジャストサイズ度 ★★

クルージング度 ★★★★★

ドロ沼度 ★★★

フルサイズセダンで排気量は4.6L。しかも生産から20年以上が経ち、自動車税は割増。ということで、維持費はハッキリ言って安くはない。しかし、車両本体価格とトータルで考えると非常にお得な1台だ。

【取材協力】
ナカオワークス
電話:080-5652-6600

 

Text:中本健二/Kenji NAKAMOTO Photo:山本佳吾/Keigo YAMAMOTO カー・マガジン453号(2016年3月号)より転載

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