タイヤの磨耗状態で差が出たものの、ここでもステルヴィオが真の実力を発揮
PORSCHE MACAN
●制動距離:69.8m(★★★★☆)
本来はポルシェが得意とするテストのはずだが、さすがのマカンもタイヤの残溝が4mm台という条件では、期待どおりの結果は出なかった。およそ6分山で、水深約2.5mmではハイドロプレーニング現象が発生し、40Rにそって進むほどにステアリングの効きが弱くなっていった。ステアリングとブレーキを同時に操作すると外側にドリフトアウトし、車速が落ち始めるとなんとか舵は効くようになるが、すでに40Rのラインからは遠く離れてしまった。2回目、ステアリングを先行させてから、やや遅れてブレーキを踏むとさらにアンダーステアが増長されてしまった。ウェットではタイヤは命なのだ。
ALFA ROMEO STELVIO FIRST EDITION
●制動距離:57.0m(★★★★★)
強烈な舵の効き、ステアフィールのダイレクト感、さらに正確なライントレース性は、さすがアルファ・ロメオ!! と思わせるほど巧みにバランスされていた。ペイロード2トン近いSUVの動きとは思えない挙動で、半径40Rにパイロンコースに対して少し外に膨らむものの、ステアリングを切り込むとリアがスッーと流れて軽いオーバーステアが発生。とはいえリアゲートにトンボが止まれるくらいの動きのため、オーバーステアでも実に安定している。2回目のテストでは、ブレーキを踏む前にステアリングを先行させて舵を入れたが、とにかくイタリア車らしくアンダーステアを出さないようなセッティングだ。