清水和夫のDST

ポルシェが得意なハズなのに!? ウェット路面でもステルヴィオが真の実力を発揮【清水和夫のDST】#96-3/4

タイヤの磨耗状態で差が出たものの、ここでもステルヴィオが真の実力を発揮

PORSCHE MACAN

●制動距離:69.8m(★★★★☆)

本来はポルシェが得意とするテストのはずだが、さすがのマカンもタイヤの残溝が4mm台という条件では、期待どおりの結果は出なかった。およそ6分山で、水深約2.5mmではハイドロプレーニング現象が発生し、40Rにそって進むほどにステアリングの効きが弱くなっていった。ステアリングとブレーキを同時に操作すると外側にドリフトアウトし、車速が落ち始めるとなんとか舵は効くようになるが、すでに40Rのラインからは遠く離れてしまった。2回目、ステアリングを先行させてから、やや遅れてブレーキを踏むとさらにアンダーステアが増長されてしまった。ウェットではタイヤは命なのだ。

 

ALFA ROMEO STELVIO FIRST EDITION

●制動距離:57.0m(★★★★★)

強烈な舵の効き、ステアフィールのダイレクト感、さらに正確なライントレース性は、さすがアルファ・ロメオ!! と思わせるほど巧みにバランスされていた。ペイロード2トン近いSUVの動きとは思えない挙動で、半径40Rにパイロンコースに対して少し外に膨らむものの、ステアリングを切り込むとリアがスッーと流れて軽いオーバーステアが発生。とはいえリアゲートにトンボが止まれるくらいの動きのため、オーバーステアでも実に安定している。2回目のテストでは、ブレーキを踏む前にステアリングを先行させて舵を入れたが、とにかくイタリア車らしくアンダーステアを出さないようなセッティングだ。

リポート:清水和夫/K.Shimizu フォト:篠原晃一/K.Shinohara ル・ボラン 2019年2月号より転載

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