世界の傑作車スケルトン図解

のちの小型車のすべてに影響を与えた前輪駆動小型車の開祖MINI【世界の傑作車スケルトン図解】#03-1

前輪駆動小型車の開祖にして40年を超える命運を保ったロングセラー

全長3054×全幅1410×全高1346㎜というはかないほど小さなボディに、のちの小型車のすべてに影響を与えることになる横置きエンジンによる前輪駆動という画期的なメカニズムを投入したミニ。副次的に俊敏なハンドリングとスタビリティを両立していたことから、「サーキットの鍛冶屋」ことジョン・クーパーの目に留まりモータースポーツにおいても「小さな巨人」として君臨することになった。

MINI COOPER 1275S Mk-I(1967 MONTE-CARLO)

1:まるでキャブオーバーのように立ったステアリングコラム
2:ウインドースクリーンの曇り防止用ニクロム線
3:1インチ半に拡大された2基のSUキャブレター
4:エンジンを上階、変速機とデフを下階に配置するアレック・イシゴニス式FWDを採用。BMC・Aタイプを限界近くまで拡大した直列4気筒OHVの横置きエンジン。市販型は75psだったが、ワークスラリーカーは90~100psまで大幅にチューンされていた
5:ディストリビューターなどの整備のためにヒンジを追加し、手前にバタッと開けられたグリル
6:オイルクーラー
7:増量したエンジンオイルを効果的に冷却する、アルミ鋳造のサンプ。深いフィンを持つが、地上高が極端に低くなるため、大きなアンダーガードが付けられた
8:マークIの時代は引き戸式だったサイドウインドー
9:金属スプリングではなく、アレックス・モールトンが考案したゴム塊を挟んだラバーコーンサスペンション(フロントも)
10:10インチと小径のミニライト・ホイール
11:クイックフィラーを持つ燃料タンクは、左右に振り分けて2個搭載(市販型クーパーSはオプションで選べた)
12:接合部を折り曲げ、重ねて溶接したADO15特有のボディ

MINI

■生産年:1959〜2000年
■生産台数:500万台超
■国籍:イギリス

Specification/MINI COOPER 1275S Mk-I
■全長×全幅×全高=3054×1410×1346mm
■ホイールベース=2032mm
■車両重量=698kg
■エンジン種類=水冷直列4気筒OHV
■排気量=1275cc
■最高出力=75ps(55kW)/5800rpm
■最大トルク=11.0kg-m(108Nm)/3000rpm
■トランスミッショッン形式=4速MT
■サスペンション形式=前 ウィッシュボーン、後 トレーリングアーム
■ブレーキ=前 ドラム、後 ドラム
■タイヤサイズ=145/10

テクニカルイラスト:山田ジロー
LE VOLANT web編集部

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