現行型「e-up!」のコンポーネントを活用
9月5日、フォルクスワーゲンはリヤエンジン・リヤドライブを採用していた初代「ビートル・カブリオレ」にピュアEVパワートレインを搭載した「e-ビートル」を製作。9月10日に開幕するフランクフルト・モーターショーで初披露することを明らかにした。
ビートル・カブリオレのEV化にあたり、82ps仕様のモーターや1速トランスミッション、バッテリーシステムといったコンポーネントは現行型「e-up!」のものを活用。ドイツ・シュツットガルトにあるパートナー企業「eクラシックス」の協力を得て製作された。
バッテリーなどの搭載により車両重量が増加した関係で、シャシーやブレーキは強化版を搭載。e-ビートルの車重は1280kgとなったが、停止状態からわずか4秒で50km/h、8秒で80km/hに到達するという、なかなかの加速性能を実現した。最高速は150km/hをマークするという。
アンダーフロアに敷き詰められバッテリーは最大14個のモジュールで構成され、エネルギー容量は最大36.8kWhを供給。最大航続距離は200kmをマークする。急速充電システムに対応しており、それを利用すれば、約1時間の充電で150km以上の走行を可能にするだけのエネルギーが蓄えられるというから、意外と現実的だ。
フォルクスワーゲンとeクラシックスでは、すでに他の歴史的なモデルをEV化する計画が立ち上がっており、現在はかつてのVWバスをEV化するためのプラットフォームを準備している。さらに将来的には、ポルシェ356をベースにした「e-ポルシェ356」を製作する可能性もあるという。
フォルクスワーゲンはフランクフルト・モーターショーで新型EVの「ID.3」を正式発表する予定だが、今後、ID.3に用いられているモジュラー電気駆動プラットフォーム「MEB」を、クラシックモデルのEV化に活用することも検討しているとのこと。