
レーシングホイール由来、鍛造デザインの新機軸が出現
常に革新を続けながらスポーツホイールを追求するレイズ・ボルクレーシングGシリーズに触れる。2×5スポークの新たなスタイルに挑戦したG025と、16本のスポークが交点メッシュを紡ぎ出すG16である。
ボルクレーシングの革新的設計手法が伝統的な造形の中に盛り込まれる
今では多種多様な方向性を持つブランドを展開するレイズにあって、己の精神の拠り所のような核にあるのがボルクレーシングブランドである。自社設計生産の高品質なデザイン金型鍛造製法を活かし、スポーツホイールの理想像を追求してきた。
VOLK RACING G025
代表作はTE37だろう。あらゆるエンジニアリングの観点からみて最適だとした6本スポークは、1996年に発売されるやいなや国産車を中心に支持され、もはや軽量スポーツホイールの代名詞に。派生モデルの拡充が手伝って、今では車種やカテゴリー、カスタムの方向性を問わない定番として、日本はおろか世界中から支持される。
デビューから23年が経とうとするTE37を大切に温めながらも、ボルクレーシングは決して立ち止まらずに挑戦を続けてきた。G025やG16もそのひとつ。ボルクレーシングのGシリーズは、重力を示すグラビティのほかに、グラジュエーター(卒業者)という意味もある。かつてTE37を履かせたチューニングカーで元気に走り回っていた層に対する次なる一手として、それとは別路線の大人のスポーツホイールを提案してきた。そうした意味では、BMW 3シリーズとの親和性は抜群だ。特に大人っぽく成長したような新型3シリーズ(G20型)とは方向性がピタリ一致する。
今回のG025、その前身モデルにはG25がある。Gシリーズにおいて2×5本のY字スポークを持つ銘柄だ。ホイールデザインにおいて一般化するY字だが、G025は持ち前の技術開発と自社での鍛造製法によってこの造形を極限まで鍛え上げつつ、新しい技術的アプローチも含ませた。
スポークにY字を構成させれば、ボルトホールは隣り合うY字の間に置くのが通例だ。そのほうが剛性確保の面からも楽だという。しかしG025の場合、新たな挑戦として、Y字の中心部にボルトホールを設けた。なおかつその周辺は気持ちいいほど穴あけ加工が施される。最新の型鍛造技術はもちろん、レイズ独自の加工技術を組み合わせたからこそ成し得た造形である。なお、今回のG025に添えられた“0(ゼロ)”は、座標軸の原点とでも言うべき意味合いで、彼らにとって新たな出発を示す。
ノンストレスラインで繋がる16スポーク
対してG16は、いかにもBMWに似合うメッシュパターンに思える。だがレイズは決して、これを単なる交点メッシュとは考えていない。センター付近でやわらかくラウンドさせながら、リムフランジにかけて並行につなげていく16本ストレートスポークの集合体であり、隣り合うストレートスポークは結果として繋ぎ止めたもの。8つのY字交点にはそんな意味がある。それが結果として、世界的に見ても稀有な8交点メッシュデザインとなった。
VOLK RACING G16
また極限まで薄くされる各スポークは、縦断面をたっぷり取ってあり、抑揚を持たせながら奥に向けてボリューム感が増す。角度によって幾多もの表情をみせ、スポーティにもエレガントにも感じさせる秀逸なデザインだ。もちろん、強度や剛性、それに伴う軽量性能を見ても理想的な造形である。これだけのデザイン性を、型鍛造製法のみで成し得たところに、いかにもレイズらしい技術力の高さを感じさせる。
このようにボルクレーシングは、Gシリーズだけを取ってもいくつもの選択肢を提案してくれる。その“幅”の広さを理解し推進するスタディ神戸の原田賢次氏は「変化を進化を絶やさない革新的なホイールメーカーだ」と括った。レイズ流のグラジュエーターは単なる卒業者ではない。それは同時に新たなストーリーの幕開けである。
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