市場のニーズに応える、時勢のドイツ流SUV
BMWはミニブランドを手にするまで、FFモデルには興味を持っていなかったようだが、エンジンを横に置くFF車は全長を伸ばさずキャビンのスペースを確保できるので、最近のユーザーニーズに応えることができる。FRモデル中心では、多くのユーザーを確保できないと悟ったのだろう。
そこでミニブランドで培ったFF車のノウハウを活かして、スペーシィなX2を開発。しかも走りに関しては、2Lエンジンのツーリングカーレースで、参戦していたFRの3シリーズよりも、FFのほうが速いことに気づいたのである。
コンセプトはスポーティな走りとスペーシィなパッケージであり、しかもX2と名乗るからにはAWDで武装している。FFベースのAWDがX2の駆動方式である。特に走りはゴーカートのようなハンドリングをウリとするミニのDNAが感じられる。
見た目はかなりデザインに凝っており、細部まで丁寧に仕立てたこだわりを感じる。エンジンは3シリーズと同じ2Lターボだが、X2のコンセプトに合わせて出力が調整されている。フラットな路面ではかなり快適な乗り心地を提供してくれる。タイヤの硬さも気にならないし、BMWらしい引き締まったライドフィールも感じられる。だが一方で、路面に段差がある一般道や、高速道路(首都高速)の繋ぎ目では20インチのランフラットタイヤの硬さが目立っていた。少し荒れた路面を走ると、いきなり乗り心地が悪くなり、路面環境による変化が気になった。