清水和夫のDST

スバルWRX STI vs ルノー・メガーヌ RS、世界のカルトカーWRXとFF+4WSの最新鋭対決の行方は!?【清水和夫のDST】#101-1/4

清水和夫のダイナミック・セイフティ・テスト(Dynamic Safety Test)

Number101(SEASON.12):スバルのプライド、WRX STIに挑む4WSで武装したニュル・マイスター

スバルWRX STI タイプS vs ルノー・メガーヌ RS カップ

ルノー・スポールが手がけたメガーヌRS。F1チームの技術とノウハウが盛り込まれたホットハッチの実力は侮れない。一方、スバルWRX STIはモデル史上最強となる2L水平対向ターボを搭載し、そのハイパフォーマンスぶりは疑いようもない。力量的には互角に思えるが、DSTのテストで上回ったのはどちらだ!?

FF+4WSの最新鋭、メガーヌRS

最近のモータースポーツで興味深いのはWTCRだ。参戦マシンは2LターボのFF車で、ウルトラアンダーステアが予測できるが、シャシーのセッティングをどう克服しているのか? シビックのレースカーに乗るドライバーに聞くと、ターンイン初期からテールが流れ、アンダーステアを出さないようなシャシー性能に仕立てられており、レースではリアタイヤから摩耗するそうだ。そんなFF車を速く走らせるにはリアサスがカギを握る。FFでニュルブルクリンク最速を誇る(最近シビックタイプRが更新)メガーヌRSには、どんな秘密が隠されているのだろうか。

ルノー・メガーヌ R.S. カップ/RENAULT MEGANE R.S. CUP

メガーヌRSのサスペンションはバネが硬く感じるものの、大きく跳ねることもなくフラットライドである。バンピーな路面で上下に跳ねても、ダンピングが良いのでボディの収まりも良い。この乗り心地を維持しながらも、ハンドリングはかなりシャープだ。
前輪駆動のハンディを克服したのが4WSの制御だ。コーナーでは初期アンダーが出ないようにリアに逆位相の制御を与えているが、高速のスタビリティは悪くない。
1990年代のスカイラインに採用されたハイキャスのような位相反転制御を採用したことに、メガーヌR.S.の秘密があった。

世界のカルトカーWRXの唯一無二の存在感

WRCに出場するために開発されたのがスバルWRXだ。プロトタイプの開発時にWRCの“C”を隠すために“X”を使ったが、そのままWRXが車名となった。つまり最初からグループAのラリーで勝つために生まれてきたわけだが、世界のクルマ好きにこれほど愛されているクルマは珍しい。他のスバル車とは異なり速さは文句ないが、ただし乗り味は平成初期の香りがプンプンと漂い、これを認めるのか古いと批判するのか判断が難しいところだ。例えば、アナログ式のサイドブレーキはスピンターンするには都合良いが、ハイスピードライディングでは、ステアリングの手応えが軽く、骨太のWRXのイメージに合わない。テストコースのバンク下を140km/hくらいで操舵しても印象は変わらず全体的に軽めだった。

 

スバルWRX STI タイプS/SUBARU WRX STI TYPE S

このクルマのキャラクター的にはもう少しダイレクト感を出してもいいと思う。ギアボックスは6速MTだが、シフトアップの度にパワートレインが前後に揺すられる。NVHなど、細部のつくり込みの質感や、風切音の大きさも気になるところだ。もう少し洗練させる方向でリファインしても良いのかもしれない。しかし、「これがWRXだ」と言われると納得してしまう自分もいる。それは唯一無二の存在だからかもしれない。

同点だがメガーヌRSの運動性能に未来を感じた

メガーヌRSのタイヤが減っていたため、ウェット旋回ブレーキで失点してしまったが、WRXと同レベルであれば、高得点を挙げたことは明白だ。ブレーキテストでは初期のストロークが長く、もっと剛性感が欲しかったものの、4WSの逆位相制御のおかげで、ダブルレーンチェンジは過去に例がないほどシャープなダイナミクスを示した。WRXはシャシーもパワートレインも古い感じが否めず、そろそろフルモデルチェンジをするべきかどうか、関係者は悩んでいることだろう。

RESULT

条件が揃えばメガーヌRSが勝利する可能性も!?

●スバルWRX STI タイプS:16/20点
●ルノー・メガーヌ R.S. カップ:16/20点

リポート:清水和夫 フォト:篠原晃一 ル・ボラン 2019年8月号より転載
LE VOLANT web編集部

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