自動車型録美術館

フェラーリ308GTB/GTS/まさに異例ずくめ、12気筒ではない初の量産フェラーリ【自動車型録美術館】第36回

FERRARI 308GTB/GTS/フェラーリ308GTB/GTS

今回は、前々回のフェラーリ208ターボの回でお約束したフェラーリ308GTB/GTSです。

ファイバーボディの308GTB

フェラーリのなかで、308シリーズは車両サイズなど、ほんのすこしだけ身近に感じることのできたモデルでした。発売当初はスチールではなくファイバーボディだったこともあり、ロータスが好きだったわたしも、つい魅かれてしまいました。

当時、興味を持ったので少し調べてみると、ファイバーボディの308GTBは正規輸入されておらず、全くのうろおぼえなのですが、東京の明治通り、大久保から高田馬場の方に少し行ったところにあった松田自動車が並行輸入しているようでした。松田自動車は、軽井沢や箱根などで公開された自動車コレクションが思い浮かぶ松田芳穂氏関連の会社だったと記憶します。さすがにかなり昔のことなので、記憶違いによる細かな間違いがあれば、どうぞご容赦のほど。

308GTBのデザイン

308GTBをまとめたレオナルド・フィオラヴァンティのデザインには、自動車デザイナのなかにもファンは少なくなく、たとえばルノーのデザインを長らく率いたパトリック・ルケマン氏もそのひとりです。彼は個人的に308GTBの流れをくむ328を所有していました。

個人的にはAポスト(ピラーのこと)がウィンドと一体化したような表現の288GTOよりも、308や328のように、Aポストの存在がはっきりしたデザインにほっとします。

ロータス・エランから始まり、今回で36回を数える自動車型録美術館ですが、イタリア車をとりあげたのは13回ほどあり、そのうちフェラーリは4回です。インデックス代わりにフェラーリの回を列挙すると、カー・マガジン457号の自動車型録美術館(以下カー・マガジンと自動車型録美術館の語は略)第5回で512BB、併せて365BBも紹介したかったのですが、誌面の都合で表紙だけになりました。459号の第7回では250SWBと250LMの2種を同時に紹介しています。その後は486号の第34回で208ターボ、そして今回の308GTBと続いています。今後は288GTOやF40のプレスキット、表紙しか紹介できなかった365GT4BBなどをとりあげていきたいと考えております。

●横版 サイズ(縦×横)238mm×340mm ●全24ページ

Text:板谷熊太郎 /Kumataro ITAYA カー・マガジン488号(2019年2月号)より転載

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