世界限定500台で日本には約50台を導入予定
新型「メガーヌR.S.(ルノー・スポール)トロフィーR」(以下新型トロフィーR)が、ニュルブルクリンクの北コース(ノルドシュライフェ)、スパ・フランコルシャンのふたつの有名なサーキットでのラップタイム更新に続き、日本の鈴鹿サーキットでも量産FF車では類を見ない2分25秒454をマーク。先代モデルの2分28秒465を3秒以上短縮する、新記録を達成した。
多くのルノー・スポールモデルの販売実績を誇る日本は、2019年9月末時点でドイツやフランスを凌ぐ市場であり、メガーヌRSだけを見ても「メガーヌRSトロフィー」(以下トロフィー)の発売前にもかかわらず販売台数で世界第3位を記録している。
新型トロフィーRは、そんな日本市場のユーザーの期待に応えるべく今年始めには鈴鹿サーキットでプロトタイプモデルによる開発テストを実施。今回量産モデルによるタイムアタックで新記録をマークしたことになる。
新型トロフィーRは、トロフィーと同じ300㎰のエンジンながら、後輪を操舵する4コントロールの不採用やEDCのMT化、リアシートのカーボンボンネットの採用などで、トロフィー比でおよそ130kgの車重を削減。空力性能の向上、そしてメカニカルグリップの徹底的な開発により、スピード向上が図られた。さらにアクラポヴィッチのエキゾーストシステム、ブレンボのブレーキ、ブリヂストンのタイヤ、オーリンズのショックアブソーバー、サベルトのバケットシートなど名だたる技術パートナーの協力を得たアイテムが採用されている。
新型トロフィーRは、世界で500台限定で販売。メガーヌRSシリーズ中でも特別なこのモデルは、すでに日本でもとりわけ注目を集めている。数台のカーボンセラミックオション装着車を含む約50台のトロフィーRが今後日本で販売され、来年前半には納車される予定だ。
タイムアタックを担当したルノースポールのテストドライバーのロラン・ウルゴン氏は「今年2月の鈴鹿サーキットでもレーシングドライバーの谷口信輝選手とともにクルマのセットアップをしましたが、今回2人のスタイルが異なるドライバーでも同様のタイムが出ているというのは、このクルマのパフォーマンスの高さを証明できたと思います」とコメント。
一方ルノー・スポール・カーズのジェネラルマネージャー、パトリス・ラティ氏は「新しいメガーヌR.S.トロフィーRは、日本を代表するサーキットである鈴鹿サーキットで量産FF車の新たなラップタイムを記録しました。このタイムは、とりわけ日本の大勢のファンの期待に応えるものでしょう。これは、日本市場の要望に応えるために我々が日本で実施したテストの成果であり、多くの国々のお客様との結び付きをさらに強固なものとする取り組みとして成功したと言えるでしょう」と自信をのぞかせた。