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ドライ、ウェット、スノー性能を突き詰めた全天候型タイヤが登場「ネクセンNブルー4シーズン」【2019-2020冬・スタッドレス&オールシーズンタイヤ・バイヤーズガイド】

いま、急激に注目が高まっているのがオールシーズンタイヤだ。今回はネクセンタイヤの「Nブルー4シーズン」をBMWの1シリーズに装着してテストした。果たしてその実力はいかに?

夏タイヤとしての性能に不満なし、冬タイヤとしても期待ができる

オールシーズンタイヤは、昨シーズンあたりから注目度が上昇。夏タイヤと冬タイヤの特徴を兼ね備えたカテゴリーであり、まさに今回試乗したパターン名と同様に4シーズンを通じて履きこなすことが可能なのだ。開発と生産を手がけたのは、韓国のメーカーであるネクセンタイヤ。聞き覚えのないブランドかもしれないが、1942年の創業で日欧米など17メーカーに新車装着用としてタイヤを供給しているだけに歴史が古く信頼性も高い。

トレッド剛性が高いショルダー部によりコーナーが連続する場面も得意でありシッカリした接地感も伝わってくる。ロードノイズは夏タイヤよりも静かなほど。サイズのバリエーションが充実していることも特徴だ。

Nブルー 4シーズンのトレッドパターンは、V字グルーブ(溝)が強調され見るからに雪がシャーベット状になった路面での排雪性が高そうだ。ここが重要なポイントであり、オールシーズンタイヤは積雪地域ではなく非積雪地域での降雪時に威力を発揮し水分が多い雪への対応が必要なためだ。しかも、トレッドのセンター部にはスタッドレスタイヤに近い細かなサイプ(切り込み)が入る。柔軟性を増して接地面を最適化しエッジ効果も加わり、圧雪路や凍結路での高いグリップ性能も期待できる。

ただ、夏タイヤとしてはトレッドセンター部の柔軟性がステアリング操作に対する応答性に影響しかねない。実際に、通常の操作なら問題はないがステアリングをサッと切る瞬間の応答性はかなり穏やかだ。だが、夏タイヤとしてのトータル性能に不満を感じることはない。ステアリングを切り増すほどにトレッド剛性が高いショルダー部がシッカリと路面をつかむので、コーナーが連続する場面はむしろ得意なのだ。

トレッドセンター部には細かなサイプが刻まれ圧雪路や凍結路でのグリップを確保。サイプ内は変形時に支えあいブロックの倒れ込みを抑える3D構造を採用。夏タイヤとしての駆動時と制駆時の安定性向上にも役立つ。

また、夏タイヤと比べるとグルーブが太いだけにノイズ発生の心配もある。グルーブ内の空気振動によりビョーという感じのパターンノイズが聞こえるものの、意識すれば確かめられる程度のボリューム。ザラついた路面を通過する際に振動を拾い発生するゴーッという感じのロードノイズは、一般的な夏タイヤよりもボリュームが抑えられているほど。さらに、トレッド中央部の柔軟性により乗り心地が快適なことも特徴だ。
Nブルー 4シーズンは、夏タイヤのNブルー HD プラスと同等のドライ性能とウェット性能を確保すると発表されている。冬タイヤとしても、高速道路における冬用タイヤ規制時も通行可能だ。非積雪地域での降雪対策として、注目すべき選択といえる。ちなみに13〜18インチまで全25サイズが用意される。

お問い合わせ
ネクセンタイヤジャパン 03-6435-4921 https://www.nexentirejp.com/

フォト=郡 大二郎/D.Kori ル・ボラン2019年12月号より転載

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