レクサスLC500hはスポーツカー感覚で乗れるプレミアムクーペ
レクサスLC500hのダイナミクスは悪くない。ニュープラットフォームの先鋭として登場し、レクサスの総力が注がれて開発されただけあって、基本スペックとしては低重心化と前後重量配分の最適化、低いドライビングポジション、さらにダッシュボードを下げたことで、スポーツカー感覚で乗れるプレミアムクーペとなった。それでいて乗り心地が驚くほど良いのは、専用開発されたミシュランのランフラットタイヤのおかげだろう。サスペンションとタイヤがうまくマッチングしていて、ランフラットの常識を変えるような快適性だ。
5L V8自然吸気ユニット+ハイブリッドシステムという、独自性の高さがウリの心臓部を持っており、存在意義は十分。高速周回路を走ると、コンフォートモードではスタビリティと乗り心地を両立しているが、ステアリングの手応えについては、もう少しメリハリがあっても良かったと思う。具体的には操舵時よりも保舵時の剛性感が重要だ。
登場から約2年も経過しているLC500hが苦戦するのではないかと思っていたが、そのキャラクターからして新しい価値観を提供するスポーツクーペなのだと再認識させられた。