年内にはボルボ初のピュアEV、「XC40リチャージP8」の生産を開始
ボルボ・カーズは3月5日、ベルギーのゲント工場に新たなバッテリー組み立てラインを新設した。ゲント工場ではボルボ初のピュアEV、「XC40リチャージP8」の生産が年内に開始される予定となっている。
今回の組み立てライン新設は、ボルボ・カーズが意欲的に取り組む電動化戦略と気候変動対策に向けた直近の具体的施策となる。ボルボ・カーズは「2040年までにクライメイトニュートラルな企業になる」ことを目標としており、その足がかりとして2025年までに車両1台あたりのライフサイクルのCO2排出量を2018年比で40％削減することを目指している。
ボルボ・カーズは、2025年までに全世界における販売台数の50％を電気自動車、残りをハイブリッド車とすることを目指しており、その実現に向けて今後5年にわたり毎年、電気自動車を発表する予定。「リチャージ（Recharge）」は、電気自動車またはプラグイン・ハイブリッド・パワートレインを搭載するすべての充電可能なボルボ車を表す総称となる。
ボルボ・カーズのグローバル生産管理部門の責任者であるゲールト・ブリュイネール氏は以下のようにコメントした。
「ゲント工場で働く皆さんとともに、この記念すべき日を祝うことができて嬉しく思います。ゲント工場は当社初のバッテリー組み立てラインを持つ工場として、電動化に向けた生産ネットワークを今後整備していくにあたり、先駆的な役割を果たします」
今後数年にわたり、バッテリーの組み立ては全ラインアップの電動化を進める中でボルボ・カーズの世界全体での生産活動における重要な要素となる。ゲント工場は、プロセスの最適化や効率化に関する重要な知見を他の生産拠点にも展開していくという。なお、ゲント工場はボルボ・カーズが欧州に持つ2つの組み立て工場のうちのひとつ。1965年に稼働を開始し、現在はおよそ6,500名の従業員が働いている。
ボルボ・カーズは今年、米サウスカロライナ州チャールストン郊外にある工場にバッテリー組み立てラインを建設する計画を発表している。同組み立てラインの建設は、今年の秋に開始される予定だ。
また、ボルボ・カーズはボルボが運営する中国浙江省にある路橋区の工場でも電気自動車の生産を開始する予定。路橋工場では現在、コンパクト・モジュラー・アーキテクチャー（CMA）をベースとしたボルボ車のほか、同様のプラットフォームを採用したポールスターやLYNK & COといった姉妹ブランドの車両が生産されている。
ボルボ・カーズは昨年、バッテリーメーカーとして世界を牽引する中国のCATLおよび韓国のLG化学と長期供給契約を締結した。この契約によりXC40リチャージP8をはじめとするボルボおよびポールスターの次世代モデルに用いられるバッテリーの供給が今後10年間にわたり確保される。
XC40リチャージP8は、ピュアEVとしてのボルボ車ラインアップの第1弾。また、グーグル・テクノロジーを組み込んだアンドロイドベースの全く新しいインフォテイメント・システムがボルボ車として初めて搭載されるモデルでもある。
