X7 は実用燃費においてもヘビー級の負荷を忘れさせる
場面は、都心から高速道路を経て山岳路へと移る。充実した運転支援機能により、ブランドの約束である“駆けぬける歓び”が反故にされていないことは明らか。いずれも、ボディ全長が5mを超え車両重量は740dでも2070kg、X7 xDrive35dは2440kgという超ヘビー級だ。
だが、そうした前提はコーナリングを繰り返せば程なく意識から外れる。740dと745eは、BMWがラグジュアリーサルーンにもたらしたスッキリした軽やかさが、昔ながらのドッシリした重々しさとは別次元の小気味よいハンドリングを楽しませてくれるからだ。それでいて、ボディのムダな動きはサスペンションの制御で排除され、4輪はバランスのいい接地感を保ち続けるので優れたスタビリティが確かめられる。
X7もボディサイズや車重を持て余すことはないが、ハンドリングの小気味よさに誘われるままに速域を上げるとアンダーステア傾向を示すことはある。とはいうものの挙動変化は穏やかなので、対応が遅れることはないのだ。
驚かされたのはX7の実用燃費だ。静岡県南伊豆を起点に一般路で天城峠を越え、交通量が多い高速道路で都心に戻ったところ15.7km/Lを記録。BMWのハイエンドモデルは、やはり環境負荷が少ない。豪華カタログの正式名はそんな自信の現れだ。