ウイルス感染の心配なく新車を購入できるシステムを整備。まずは欧州で導入進む
新車を買おうというとき、インターネットで資料を請求したり、見積もりを依頼したりというのは今や当たり前となったが、車両代の支払いまですべてネット上でオンライン決裁というケースはほとんど聞いたことがない。高額商品だけにクレジットカードでの支払いも難しいのが現状だが、それを可能にしてしまおうという動きが出てきている。その背景には新型コロナウイルス蔓延による「できるだけ近接接触を避ける」という予防策があるわけだが、現時点では欧州限定ながらボルボ・カーズとグループPSAがオンライン販売を開始している。
クルマの選択、購入、支払いまでをオンライン上で済ませることが可能。実車は希望の場所までデリバリーしてくれる。
「ステイホーム・ストア」と名付けられたボルボのオンライン販売は、既存のオンライン販売システムをより進化させたもので、専用サイトから3モデルを選択して注文が可能となっている。モデル設定は国によって異なるが、当面はドイツ、フランス、イタリア、英国、スペイン、オランダ、ベルギーで展開。ロックダウンや外出・移動規制によりディーラーを訪れるのが難しい地域が対象となっており、その地域内であれば購入またはリース契約を最後までオンラインで行うことができる。頭金なしのローンなども用意されており、支払期間なども柔軟に対応。ボルボは米国と中国において車両メンテナンス時の自宅での引き取り、引き渡しも含めたボルボ・バレーサービスを始めているが、それに続くサービス展開と見ていいだろう。
PSAもプジョー、シトロエン、DSの各オンライン上のストアで新車購入可能なファイナンスオファーを4月半ばから始めている。クルマの選択、購入、支払いまでをオンライン上で済ませ、実車は希望する場所までデリバリーしてくれるシステムで、当初はフランス国内限定だが、追って欧州やその他の地域でも利用できるようにしていく考えだ。同グループのオペルとボクソールも同じシステムの導入を予定している。
両社ともオンライン購入にともなう手数料等の増減に関しては触れていないが、販売時の手間とコストがある程度省けるという点ではメーカーおよびディーラーにもメリットはあると思われる。新型コロナウイルス終息後もこういった販売システムが定着していくことになるのか、今後の動きに注目したい。