月刊イタフラ

【嶋田智之の月刊イタフラ】マセラティの新型スポーツカーMC20用のパワーユニット、詳細発表!

期待させてくれるよね、マセラティ!!

本来ならば5月のはずだったマセラティの新型スポーツカーの発表が、世界的な疫病の影響で9月へと延長されたことはご存じの通りです。僕達は“おそらくアルファ4Cのカーボンモノコックを使いながらリアのサブフレームを伸ばしてこしらえたんだろうな”と思われるテストカーの写真を眺めながら、“でも、あくまでテストカーだから、正式発表のときには姿も構造も全然違う新しいモノになってるんだろうなー”なんて、夢想してばかり。

ところがここへ来て、マセラティがパワーユニットの詳細を公開したのです。“90度V6ツインターボだろう”という大方の予想は正解、“アルファのクアドリフォリオ用の流用”と“ハイブリッドシステムをかませる”という予想はハズレ、という感じです。

公開されたスペックは、ボアが88mm、ストロークが82mmの3L 90度バンクV型6気筒ツインターボで、圧縮比は11対1。最高出力630ps/7500rpm、最大トルク730Nm/3000-5000rpm。単体重量が220kgの90度V6であること、ストロークが82mmとクアドリフォリオ用V6やカリフォルニアT用V8と共通であることから、何かを参考にした可能性はありますが、流用ではない別モノと考えるべきでしょう。しかも点火系がツインスパーク(ツインプラグ)+パッシブプレチャンバー、燃料供給がダイレクトとポートのツインインジェクション、電子制御ウエストゲートにドライサンプに可変バルブタイミングに……と、「おおお!」と唸りたくなる文字が並びます。具体的なことは未発表だけど、複数の国際特許まで所得してるらしい。なるほど、100%マセラティ、100%メイド・イン・モデナと高らかに謳うのも道理です。マセラティのエンジニア達が、新しい時代を作ろうと誇りを持って情熱をたっぷり注ぎ込んで設計・開発したのでしょうね。

MC20の正式デビューは、9月9日~10日にモデナで開催されるイベントにて。テストカーよりさらにマセラティらしい趣で登場するであろうその姿、その中身に、僕達はワクワクしながら期待していいんだ、と確信できました。

ルボラン2020年9月号より転載

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