【MASTERPIECE】ハイフローターボRS
基礎体力向上チューン。ECU解析に超期待!
新型ジムニーのスープアップはまだまだ発展途上。コンピューター解析ができていないため、ECUチューンはサブコン止まり。現状、大幅なパワーアップは望めない。では諦めるのか? そんなことはない。
製造元はアフタータービンメーカーとして有名なKOYO。調整式のアクチュエータープッシュロッドや、大径化されたフィンなどから、このタービンの本来の実力は推測できるだろう。
マスターピースの奥原氏が今回発売したのは、JB64用ハイフローターボRS。いたずらにA/Rをいじらずに、ターボフィンを拡大しタービンレスポンを向上させ低回転域からトルクを発生させる仕様。ブースト圧の設定はノーマルのまま。効率を向上させるタイプだ。
パワーグラフを見ると分かるが、3000回転でノーマル比30%ものトルクを向上させ、常用域での扱いやすさは特筆ものだ。
このタービン、実は最高出力自体はノーマルECUではさほど向上しない。それは純正の制御のせいだ。奥原氏に話を聞くと、現状のサブコン制御では、このタービンの実力は100%発揮できていない。立ち上がりの優位性のみだ。では、なぜこのタイミングで発売を開始したのか? 基礎体力の向上だ。
ノーマルタービンではブーストを上げるとただピーキーになるだけ。実走における本来もっとも欲しい低速トルクの向上は望めない。潜在している能力の問題だ。
ノーマルと比較した場合の最高出力と最大トルク。低回転域から素早く立ち上がるトルク特性は、ストリートやクロカンなどのシチュエーションでかなり有効。しかし、高回転域での出力があまりパッとしないのは、純正の制御によるものだ。高回転高負荷での連続走行において、純正ECUはスロットルを閉じるという制御を行う。この事案が解決すればかなりのハイパワーが期待できる。
現状では、タービン交換のみで得られる出力は低回転域だけだが、ストリートやクロカンではかなりの武器となる。今後、ECUが解析でき、ブースト圧のコントロールが可能となり、このタービンの本来の実力が発揮できるようになれば、ゆうに100馬力を超える計算だ。
●ハイフローターボRS
【問い合わせ】マスターピース 078-731-8585 http://www.4×4.co.jp/
Photo & Text:那須一博