メルセデス・ベンツが同ブランドで9車種目となる新型SUV「GLB」を6月に導入。GLBは、GLAとGLCの間を埋める存在として誕生したブランニューモデルだ。日本向けは3列7人乗り仕様のみで、Gクラス譲りのスクエアなフォルムが特徴となる。
とことんメルセデス味にこだわるならGLB250
なぜ僕がW124に乗っているかと言えば、現代のメルセデスにはないゆったり&まったり&どっしり&しなやかな乗り味が気に入っているから。低速で足がよく動くのに速度を上げるとフラット感を増していく。メカニカルパーツだけでこの走りを生みだしているのはマジックとしか言いようがない。まさに天然物のアクティブサスペンションである。
W124ユーザーの多くが「乗り換えるクルマがない」と嘆きいまでも治し治し乗り続けているのは、現代のクルマにそういう味わいのものがないからだ。ところが、GLBを転がし始めた瞬間「あ、帰ってきてくれたな」と感じた。
とにかく極低速域から足がよく動く。それも、単にソフトな味付けとは一線を画す、濃密な接地感と適度な重量感を伴う味わい深い足の動き。ステアリングのゲインはW124より少しだけビビッドだけど、それでも昨今のメルセデスと比べれば「アジリティなんて目指してないよ」と言わんばかりの穏やかさだ。古のメルセデス味をFF車の3列シートSUVで味わえるとは思っていなかった。なお、電子制御ダンパーがつかないGLB200dだと味わいは3割引程度になる。とことんメルセデス味にこだわるならGLB250 4マチックスポーツがオススメだ。
岡崎五朗/G.Okazaki
GLBの走りは期待以上の完成度だ
新型GLBはGLAとは差別化して開発されている。よりファミリーユースにふさわしいボディパッケージで、本格的SUVの風格を持っている。クロスオーバーSUVのGLAよりもルーフが高いので、キャビンはルーミー。しかも3列シートまで備わっている。GLAよりも重心点がやや高いが、電子制御ダンパーのおかげでロールとピッチングは気にならない。

GLBの室内には、対話型インフォテイメントシステム「MBUX」や、スマートフォンのワイヤレスチャージング機能も用意。3列7人乗りキャビンを備えたマルチパーパス性も兼ね備えているのが特徴。最低地上高も約200mmが確保されており、高い悪路走破性を誇る。
試乗したGLB250のエンジンは、ストレスなく吹け上がる上質な仕上がりになっている。しかも、ドライバー・アシスト・システムは何とSクラスと変わらない。MBUXもより使い勝手がよくなっている。まだ、試していないが、オフロードや雪道を走った時、GLBはGクラスに近い走破性を発揮するかもしれない。このモデルにはディーゼルが似合いそうだが、ガソリンのPHEVも計画されるかもしれない。
日本の交通環境ではとても使いやすいボディサイズを持つうえ、その走りも期待以上の完成度だ。GLBには「The Mercedes」の称号を与えたいと思った。
清水和夫/K.Shimizu
【Specification】MERCEDES-BENZ GLB250 4MATIC SPORTS
■全長×全幅×全高=4650×1845×1700mm
■ホイールベース=2830mm
■車両重量=1760kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC・16V+ターボ/1991cc
■最高出力=224ps(165kW)/5500rpm
■最大トルク=350Nm(35.7kg-m)/1800-4000rpm
■トランスミッション=8速DCT
■サスペンション(F:R)=ストラット:4リンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ(F:R)=235/45R20:235/45R20
■車両本体価格(税込)=6,960,000円
お問い合わせ
メルセデス・ベンツ日本 0120-190-610