「ハラマ」は1970年から1976年まで計328台を生産。最後のFRグランドツアラーは50年を経たいまも、その魅力を失っていない
11月11日、アウトモビリ・ランボルギーニは1970年に発表された2+2GTクーペの「ハラマGT」が誕生から50周年という節目を迎えたことを発表した。
ハラマGTは、1970年3月に開催されたジュネーブ・モーターショーで初披露された。闘牛の繁殖地で有名なスペイン・マドリード北部になるハラマ・サーキットにちなんで名付けられたハラマは、「400GT」とそれに続く「イスレロ」の後継モデルとして登場。4L V型12気筒エンジンをフロントに積み後輪を駆動する、2+2グランドツーリングコンセプトを継承した進化版である。
ウェーバー製40 DCOEキャブレターを備えたV12エンジンは、ダブルオーバーヘッドカムシャフトを備えたランボルギーニの実績あるユニットで、ハラマGTでは350psを発揮。最高速は260km/hをマークした。
スタイリングはカロッツェリア・ベルトーネのマルチェロ・ガンディーニが担当。70年代のトレンドに合わせて、張り詰めたラインと角張ったラインを巧みに組みわせたデザインが特徴だ。
インテリアはレザー張りの豪華な仕立てが特徴で、エアコンを装備。スポーツカーながら快適なキャビンや広いトランクを備えている。
1972年のジュネーブ・モーターショーでは進化版となる「ハラマGTS」が登場。エンジンは排気量をそのままに、圧縮比を高めるなどによって最高出力が365psに向上。エンジンフード上にエアインテーク、フェンダー上にエアアウトレットが設けられ、GTSならではのルックスを実現している。室内ではインスツルメントパネルのデザインが変更されたほか、後席の居住性を高めるためにフロントシートの形状が見直されている。
ハラマは、GTが1970年から1973年まで176台、GTSが1972年から1976年まで152台の、合計328台を生産。ランボルギーニのFRグランドツアラーはこのハラマが最後となり、それ以降、「LM002」とスーパーSUVの「ウルス」を除けば、同社はミッドシップモデルしか製造していない。そんな希少性もあり、誕生から50年を経たいまもその魅力を失っていない。ハラマはランボルギーニの歴史において重要なモデルなのである。