EV関連のベンチャー企業6社がタッグ。より身近な電動モビリティの普及を図る
電動モビリティというと電気自動車(EV)を思い起こす人も多いと思うが、もっと身近な電動モビリティが普及の兆しを見せている。クルマの駐車場所から目的地とか、駅から自宅までといったちょっとした距離(ラストワンマイル)を移動するのに電動キックボードや簡便な電動自転車を使う傾向が欧米でも見られるが、日本でもそういった需要を見込んで小型の電動モビリティを開発するベンチャー企業が増えている。
一方で小型電動モビリティ(マイクロモビリティ)で移動するうえでの道路交通法の遵守や安全確保、運転免許が必要といった点はまだ多くの人に周知されているとはいえず、50年以上前に制定された道路交通法や道路運送車両法も次世代モビリティの走行や所有を前提としていない部分が少なくない。そうした使う側と規制する側のアンバランスが次世代モビリティの普及を阻害している面もあり、解決すべき課題は多い。
そんな状況を打開するために、電動マイクロモビリティを開発・製造する日本のベンチャー企業6社が今年9月に「日本電動モビリティ推進協会(JEMPA)」を設立。E‒KON、クリエイティブジャパン、glafit、SWALLOW、ブレイズ、ベルッドの6社の名を知る人はまだ多くないだろうが、ともに協力しながら普及促進を進めていく考えだ。さまざまな交通手段をシームレスに活用するMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)を実現するには、こうしたラストワンマイルを担う電動モビリティの存在は欠かせない。また、クルマに積んで目的地まで行き、現地では手軽に移動できる電動モビリティを活用する形も今後は増えていくと思われる。
視認しにくい電動モビリティが走り回る状況を嫌うドライバーもいるが、移動手段の多様化が進んでいくなかで、混合交通下における棲み分けは欠かせない。そのルールを確立し、お互いのエチケット意識を高めるためにも電動マイクロモビリティの存在価値と利便性の高さを知る必要がある。
JEMPA設立を機にさまざまな移動手段を活用する人たちが歩み寄り、より移動しやすい社会を作っていく機運が高まることを期待したい。