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中古車で味わうゴルフ・カブリオレ【VW GOLF FAN Vol.10】

【INTERVIEW】プロに聞く認定中古車で選ぶカブリオレ

現在は中古車市場で探すほかないゴルフ・カブリオ。普通のゴルフと比べてタマ数が少ない分、選択肢が限られるのは確かだが、VW認定中古車であればより程度のいいカブリオに巡り会うチャンスは多くなる。そこで、フォルクスワーゲン認定中古車を扱うフォルクスワーゲンあざみ野ユーズドカーセンター店長割石淳一さんに、中古車におけるゴルフ・カブリオの選び方、ポイント、魅力などを語って頂いた。

カブリオは「一物一価」じっくり探す根気が大事

いまやユーズドカーでないと手に入らないゴルフ・カブリオ。ゴルフI〜IIの時代のクルマは探すのさえ難しい状況にあり、現実的な選択となるとIIIおよびIVの時代のカブリオとなる。できれば保証のしっかりした正規ディーラーの認定中古車を選びたいところだが、そのあたりの状況を現場のプロにうかがってみよう。
「カブリオに関しては新車販売台数が少なかったため、市場に出回っている中古車も多くありません。認定中古車で扱うとなるとIIIのカブリオ以降となりますが、I〜IIの時代のクラシックラインなどと違って、IIIは日常の足として使われることが多かったので、中古車となったときにコンディションのいいクルマが少なかったんですね。そんな理由で、認定中古車として扱えるIIIのカブリオはほとんど見
当たらない状況です」

フォルクスワーゲンあざみ野 ユーズドカーセンター 店長

割石淳一氏

「1台1台歴史のある中古車が好き」という割石さんは’92年からVW販売を担当してきたオーソリティ。新車販売だけでも8年、ユーズドカーも加えると14年以上の経験を持ち、古いクルマから最新モデルまで幅広い知識で来店者の要望に応えてくれる。

フォルクスワーゲンあざみ野・ユーズドカーセンターの割石淳一店長はこう語るが、それではIVのカブリオなら大丈夫だろうか?
「IVのカブリオレの、特に本革コンビシートなどを標準装備した『カラーコンセプト』は大事に乗っていらしたお客さまが多いですね。そういう意味ではのクラシックライン的な位置づけといってもいいですし、認定中古車として扱えるクルマもあります。ただ、台数は限られていますし、色もほとんどがジャズブルーとなります」
なお、フォルクスワーゲン正規ディーラーの認定中古車は、新車登録から10年以内、走行距離10万km以内の正規ディーラーものという規定があり、保証期間も1年間走行距離無制限と長い。それだけに扱うユーズドカーは程度のいいものに限られるが、輸入車が初めてのユーザーでも、安心して購入できるメリットがある。
「認定中古車の場合は問題ありませんが、最新のIVのカブリオレでも購入するときは必ず幌の作動と傷み具合をチェックしてください。それとエアコン、パワーウインドー、ドアミラーなどのモーター作動部分は必ず何度か動かしてみることですね。シートの汚れやタイヤの減りなどは後でどうでもなりますが、特に幌の作動はディーラーが修理などのノウハウをちゃんと持っているかどうか見る基準となります。もし、不具合があるようなら、直してもらうことを条件に交渉したほうがいいでしょう。幌の修理はかなりコストがかかりますし、確実に直してもらえるなら、下手な値引きよりずっと有意義な交渉となるはずです」

フォルクスワーゲン認定中古車は新車登録から10年以内、走行10万km以内のディーラー車を対象とし、消耗部品の交換を含む完全整備で販売される。1年間、走行距離無制限の保証に加え、24時間体制の緊急サポート、万一の故障の場合のクイックサービス、走行不能の場合は10万円以内の帰宅費用や宿泊費用の負担といったサービスも付加される。

カブリオを買うときの要チェックポイントは幌と電動部分ということになるが、エンジンやミッションなどは大丈夫なのだろうか?
「IVのカブリオレといってもベースはですから、クルマ自体は『IIIの最終型』ともいえます。それだけに完成度は高いですから、エンジンやミッションに関しては認定中古車なら問題はありません。ただ、乗ってみないと分からない部分もありますので、悪い部分を探すだけでなく、良さを見つけるためにも必ず試乗してみてください。ただのゴルフIIIやIVと違ってハンドメイドで作られている部分もありますし、それを見つけていく楽しさもあります。カブリオは趣味性の高いクルマですから、古物を味わうというか、古着を探すようなつもりで、ガツガツしないで時間をかけて探したいですね。最初はネットで検索したとしても、買うとなったら実際に展示場を回ってクルマに触れながら、ゆっくりと自分に合ったものを探すことをオススメします」

「Guaranteed Used Car System(ギャランティード・ユーズドカー・システム)」と書かれた看板がフォルクスワーゲン認定中古車取扱店の目印となる。いいユーズドカーを手に入れる秘訣は「まず営業マンと仲良くなることです」という割石氏。焦らずじっくりと探すのが「いいユーズドカーとの出会い」につながるという。

フォルクスワーゲン認定中古車なら完全整備と保証だけでなく、万一のトラブルのときの出張サービスや帰宅および宿泊費用のサービスなど(金額に上限あり)も付帯してくるので、クルマに詳しくない人でも心配はない。安心してカブリオで『非日常』をいつでもどこでも満喫できるわけだ。
「それと、いいクルマを見つけたいなら、営業マンと仲良くなることですね。中古車は『一物一価』で1台1台歴史がありますし、それをよく知っている営業マンならきっといいクルマを見つけてくれるはずです。ゆっくり探していけば、必ず『これだ!』というクルマと出会えるはずですよ」
ユーズドカー好きにとっては実に心強いコトバだが、今回試乗したカラーコンセプトも’02年式(走行3万6500km)の認定中古車で178万円でいうのは、決して高くない値付けだ。同条件の’01年モデルなら160万円程度になるというが、それ以上安く売っている場合は要注意とのこと。これを目安にカブリオを探しに行こう。

フォルクスワーゲン あざみ野ユーズドカーセンター

50台の認定中古車が展示され、ボディカラーや仕様の違いを比較しながら検討するには最適。東急田園都市線のあざみの駅から1kmほどの閑静な住宅街に位置し、落ち着いてクルマを眺めることができる。

〒225-0011
横浜市青葉区あざみ野4-2-20
TEL:045-904-4848
営業時間: 9:30-19:30 定休日: 水曜日

カブリオ中古車相場価格

認定中古車に限らず相場全体を眺めると、ゴルフIカブリオはほとんど存在せず、あってもレストア車やチューニングカー。

ゴルフⅠカブリオ(前期型)
ほとんど見つからず

あってもレストア車や改造車

IIの世代に入ると40万円台から見つかるが程度は「?」で、レストアの素材といった感じ。一方、年数は経っているが走行距離の少ないクラシックラインは完全なプレミアム価格で200万円を超える。

ゴルフⅠカブリオ(後期型)

50万円~200万円

初期状態を保ったクラシックラインは200万円超えも

III~IVのカブリオとなると台数はぐっと増えて選択肢も広がり、IIIのブラック&シルバーなど限定車も出回っているが、幌の調子などは要チェックとなることを忘れないように。

ゴルフⅢカブリオ(前期型)

40万円~85万円

’94年あたりの安いクルマがけっこうある

IVルックは100万円以下も出てきているが、カラーコンセプトは150万円以上が相場となる。

ゴルフⅢカブリオ(後期型/Ⅳルック)

95万円~200万円

初期モデルは100 万円切るクルマも

取材協力=フォルクスワーゲン・グループ・ジャパン
フォルクスワーゲン湘南藤沢認定中古車センター
フォルクスワーゲンあざみ野ユーズドカーセンター

リポート:田畑 修/フォト:宮門秀行

VW GOLF FAN Vol.10から転載

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