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サプライヤーの巨人、ボッシュがCES2021でAIを活用した近未来のビジョンを発表

ボッシュは人々の健康を改善し地球環境を守るために、AIとモノのインターネット(IoT)を組み合わせた「AIoT」を軸にした取り組みに注力

ドイツの大手サプライヤー「ボッシュ」は、1月11日から14日まで、すべてオンラインで開催された世界最大規模のテクノロジーの国際見本市「CES 2021(コンシューマーエレクトロニクスショー2021)」に出展。AI(人工知能)とネットワークを組み合わせた未来への取り組みを紹介した。

ボッシュでは現在、人々の健康を改善し地球環境を守るために、AIoT(人工知能「AI」とモノのインターネット「IoT」を組み合わせた造語)への取り組みに注力している。データ、AI、IoT化が提供する可能性を活用した技術的なソリューションにより、人々と環境に利益がもたらされると考えているからだ。

CES 2021への出展に際して、同社の取締役会メンバーであるミヒャエル・ボレは、次のように述べている。
「ボッシュはAIとネットワーク化を組み合わせてAIoTを構築しています。これにより、私たちはエネルギー効率の向上を図り、コロナウイルスと戦うことを可能としています。AIoTは大きな可能性を提供します。私たちは、すでにこの可能性を切り開いており、今後その取り組みを拡大させる予定です」

同社では「サスティナブル ♯LikeABosch」というキャッチフレーズのもと、同ショーにおいて健康、生活、産業、モビリティの各分野に役立つインテリジェントで持続可能性のあるソリューションを紹介している。

ボッシュがこのたび初公開する革新的技術のなかに、フィットネス・トラッキング用ウェアラブルデバイスおよびヒアラブルデバイス向けの世界初の自己学習型AIセンサーがある。AIはセンサー本体で実行されるため(エッジAI)、エクササイズの最中にインターネットに接続する必要はない。これにより、エネルギー効率とデータプライバシーが向上する。

また、大気環境や相対湿度などの要素を測定するセンサーも発表。これにより、コロナウイルスとの戦いにおいて特に重要となる、空気中のエアロゾル濃度に関する情報を得ることができる。

ボッシュのセキュリティカメラもウイルスとの戦いに貢献する。AIを活用することで、ユーザー固有のさまざまなアプリケーションの実行を可能としている。例えばインテリジェントなビデオ分析機能を搭載した新しいカメラソリューションにより、匿名での精度の高い非接触式体温測定が実現。その偏差は最大0.5度だ。

さらに、ボッシュのスタートアップ企業であるSecurity and Safety Things社のオープンなカメラプラットフォーム用のソフトウェアソリューションを使用することで、カメラにより、店舗内の人数が現行のコロナウイルス規制に準拠しているかどうかを検出できるようになる。このプラットフォームは、今年選出された4つのボッシュ・ソリューションのひとつとして、「2021 CES イノベーションアワード」を受賞した。

また、指先のスキャンにより貧血を検出できるヘモグロビンモニターも初公開。このデバイスは、医療へのアクセスが不十分な地域に特に適しているもので、AIを搭載したことによって30秒以内に結果を出すことが可能。臨床検査や採血は必要ない。

現在、革新的なボッシュのテクノロジーがいかに健康やウェルビーイングの向上に貢献できるかを示す最良の例は、ボッシュVivalytic分析装置を用いての新型コロナウイルス向けPCR検査だ。検査結果はより迅速に判明するようになり、研究所、診療所、介護施設、病院において、39分で5つのサンプルを同時に判定することが可能な、文字通り「Invented for life」を体現するテクノロジーとなった。改良されたソフトウェアにより、陽性サンプルを30分以内に検出することもできる。分析装置と検査カートリッジで構成されるVivalyticシステムの開発は、ボッシュの企業研究開発・先端エンジニアリング、ボッシュ ヘルスケアソリューションズ、そしてロバート・ボッシュ病院の長年にわたる協働から実現したものだ。

今回のCES 2021で掲げたボッシュのキャッチフレーズ「サスティナブル ♯LikeABosch」は、ボッシュの企業責任の側面のひとつを表しており、持続可能な製品を使用して環境を保護するために誰もが自分の役割を果たせるということが強調されている。

ボッシュ自身が率先してこれに取り組んでおり、たとえば独自の試算では、2020年以降、世界の400拠点すべてでカーボンニュートラルを実現。ボッシュは、生産するエネルギーと外部から調達するエネルギーに関して、世界的に事業展開する企業として初めて、正味ゼロカーボンエミッションを達成している。

「ボッシュの次のステップは、調達から製品の使用まで、バリューチェーン全体にわたる排出量の削減に取り組むことです」と、ボレ取締役は述べている。これに関してボッシュは、2030年までに上流と下流の二酸化炭素排出量を15%削減するという具体的かつ意欲的な目標を掲げ、Science-Based Targetsイニシアチブに参加する初の自動車部品サプライヤーとなっている。ボッシュのクライメートアクションにおける功績は、社外でも認められるところとなり、非営利のカーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)において、ボッシュはAリストに選定されている。

ボッシュは、昨年設立された顧問会社であるボッシュ・クライメートソリューションズを通じて、気候変動対策のパイオニアとしての自社の経験を他の企業と共有している。このボッシュのスタートアップ企業は、インテリジェントなアルゴリズムを適用して機械のエネルギー消費を削減し、それによって生産プロセスの効率化を図ることができるボッシュ・クラウドベースエネルギープラットフォームなど、いくつかのソリューションを発売。このプラットフォームは、すでに100カ所以上の拠点に導入されており、エネルギー効率の向上に貢献している。これは、カーボンニュートラルを目指したボッシュの取り組みにおいて主要な方策となっている。

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