
※この記事は2007年12月に発売された「VW GOLF FAN Vol.14」から転載されたものです。
トゥーランより小さくゴルフより実用的!
ゴルフよりも全高を少し“プラス”して、スペースユーティリティを飛躍的に向上させたモデルがゴルフ・プラス。「ハッチバック以上、ミニバン未満」のナイスな実用性は、日常使用に役立つこと間違いナシだ。
■model summary
E
247万円(6速AT/4ドア/右ハンドル)
GLi
287万円(6速AT/4ドア/右ハンドル)
’05年秋に国内のラインナップに加えられたゴルフ・プラス。それ以降、細かな小変更はあるものの、スペック等の基本部分に変更はない。グレードはエントリーモデルとなる1.6エンジン搭載のE、2Lエンジン搭載の上級グレードGLiの2モデルで、ともに6速ATとの組み合わせ。また、装備の類はゴルフの相当グレードに準じた内容となる。
Outline
ゴルフ・プラスの全長/全幅/ホイールベースはゴルフとまったく同じ数値。異なるのはゴルフよりも85mmプラス(高く)された全高で、そのプラス分は室内のスペースユーティリティの向上に貢献している。
シート座面はゴルフよりも前席で75mm、後席で85mm高い位置にセットされているため、前方見晴らしは良好だし、乗り降りもスムーズに行なえる。後席は実用的な4:2:4の3分割可倒式で、160mmのロングスライドも可能。スライドを最後端にセットすれば、大人が楽勝で足を組めるほどのゆったりスペースを確保でき、前方にスライドさせれば、後席を使用したままで505Lまでラゲッジ容量を拡大することができる。
また、後席を折りたためばラゲッジ容量は1450Lに跳ね上がり、加えて助手席のシートバックは前倒しできるので、最長2.3mの長尺物も積載可能だ。
こうしたシート&スペースユーティリティに加えて、収納力が優秀であることも大きな加点要素。4連タイプのオーバーヘッドコンソールをはじめ、2層式のバリアブルカーゴフロア、前席下の引き出し式収納トレイなどなど、室内の随所に役立つ収納スペースが設けられている。

後席は4:6分割も、4:2:4の3分割も可能。すべて倒せば1450Lの大容量ラゲッジを作り出すことが可能だ。さらに助手席を前方にフラットに倒せる助手席シートバックフォールディング機能を搭載し、長尺物の積載にも対応している。
2列シートだからゴルフ・トゥーランのような多人数乗車はできないが、トゥーランほど大きくなく、それでいて室内の(特に後席の)快適性はバッチリ。そしてゴルフよりも実用域での使い勝手は抜群に優れる。「ミニバンまでは必要ない。でも一般的なハッチバックだとやや不便」と感じているユーザーに、ゴルフ・プラスはドンピシャにハマる。まさにハッチバック以上、ミニバン未満。カユイところに手が届いた、賢いゴルフ・シリーズだ
Impression
グレードは1.6LのEと2.0LのGLiが設定され(共にFSIエンジン)、組み合わされるミッションはティプトロニック付き6速AT。グレード構成もメカニズムもゴルフのFSIエンジン搭載モデルと同様だ。
GLi 価格以上の装備を誇る上級グレード

2.0Lエンジンを搭載する上級グレード。装備の充実度はとても高く、フルオートエアコンからクルーズコントロール、フロントシートアンダートレイなど、数々の快適&実用アイテムが標準装備。フロントシートは、掛け心地の良いコンフォートタイプを採用。ホイールは15インチのアルミを履く。内容を考えれば、Eとの40万円差は高くはない。
とはいえ、車両重量はゴルフ・プラスの方が両グレードとも100kg近く重くなるため、1.6LのEグレードでは同じエンジンのゴルフEほど軽やかな走り、というわけにはちょっといかない。ゴルフ・プラスで、スムーズで快適な走りを求めるのであれば、2.0LのGLiグレードの方がベストチョイスといえるだろう。
E 実用性はそのままに装備を簡略化

1.6Lエンジンのベーシックグレード。スチールホイール、セミオートエアコン、フロントスタンダードシートが標準装備となり、マルチファンクションインジゲーターやクルーズコントロール、フロントシートアンダートレイなどはレスとなる。GLiより装備は簡略化されるが、後席の160mmスライドやバリアブルカーゴフロアなどの実用性は変わらず。
ただ、ゴルフ・プラスは先述の通り、ゴルフよりも全高が85mm高くてシート高も高められているため、ゴルフよりも前方視界に優れる。そのメリットは日常使用でやはり効果的だ。渋滞中でもある程度前方を見渡せるといった開放感があるし、ノーズの見切りが良いので街中での取り回しもしやすい。室内のスペースユーティリティの良さに加えて、日常の走りの面でも実用性に優れる。それがゴルフ・プラスならではの持ち味だ。
リポート:斎藤 充