コンちゃんゆかりの地へ
待ちに待った「アルトピア―ノ蓼科(たてしな)」の初体験へ、さあ出発だ!
コンちゃんは、トヨタモビリティ神奈川が企画製造しているキャンパーシリーズの特別仕様車「ハイエース キャンパー アルトピア―ノ」である。
キャンパーシリーズには、タウンエースベース「キャンパー アルトピア―ノ」があるほか、トヨタモビリティ神奈川では同社が展開するアウトドアショップ・グッドオープンエアmyX(マイクス)と連携した特別仕様車「マイクススタイルカー(msc)」各車や、ハイエースのオプション設定車「モデリスタMRT」など、キャンパー/アウトドア対応で多彩なモデルを取り揃えている。
驚きなのは、これらモデルの購入者は、キャンプ&コテージの「アルトピア―ノ蓼科」(長野県茅野市北山4145)に年間2泊、無料で宿泊できるスペシャル特典がついてくる点だ。
さて、「アルトピア―ノ蓼科」とはどんなところなのか?
2021年6月後半の土曜日、首都圏内を午前8時少し前に出て、首都高速、中央高速をノンビリ行く。途中、神奈川県相模湖周辺で小さな渋滞があった以外は順調な道のりで、長野県諏訪南ICについたのが午前11時過ぎ。
目の前に八ヶ岳を見ながら、八ヶ岳エコーラインを行く。周囲の畑が実によく整っている。外から見るだけで土壌の良さが分かる。草木の形も良い。
そう、ここがあの原村(はらむら)だ。日本一のセロリの生産地で、ブロッコリーやレタスなど高原野菜の聖地とも言われる。そんな美味しい原村野菜の直販所「自由農園 原村店」でバーベキュー用にいろいろ仕入れた。隣接する「808 Kitchen & Table」で、バケットを買ったら、我慢できなくてコンちゃん車内でおもわずパクパク。
実は、蓼科とトヨタに深いつながり
そこから走ること15分ほど、ビーナスラインを蓼科湖に上る途中に「アルトピア―ノ蓼科」がある。
約8000平方メートルの敷地内にコンパクトな「タイニーハウス」が7棟あり、そのうち4棟がワンちゃんと一緒で泊まれる。ドックランは大型犬ゾーンと小型犬ゾーンに分かれている。
子どもたちが楽しめる遊具がある”わいわい広場”や、プレイフィールド、さらに蓼科の山々が一望できる展望デッキも完備されている。
アルトピア―ノ蓼科の現地責任者である常川領太さんから施設の説明を受けてチェックイン。
早速、備え付けのウェーバー製ガスグリルで、高原野菜やお肉のバーベキュー。
ウッドデッキの開閉式オーニングを開けて、おつまみタイム。
そうこうしながら、こちらも自由農場で仕入れた地元の生そばを備え付けキッチンで茹でながら、長いもをすって、とろろそば。
遅めのランチに満喫したら、蓼科周辺の散策へ。
まずは、聖光寺(しょうこうじ)を参拝。1970年7月、トヨタと関連会社が施主となり、交通安全、交通事故遭難者の慰霊、負傷者の早期快復を祈願するために建立されたお寺だ。
豊田章男社長を含めてトヨタ幹部は毎年、ここを参拝し、近年ではトヨタ関連保養施設でもあるテラス蓼科で、業界関係各位を集めてざっくばらんに意見交換をする「タテシナ会議」を開催している。アルトピア―ノ蓼科とテラス蓼科は提携関係にあり、リーズナブル料金で連泊プランも用意されている。
ゆったりのんびり気分
蓼科散策の後、アルトピア―ノ蓼科の夕べを楽しむ。
カッコ―が鳴いている。
ウッドデッキ前の、コンちゃん。実に、イキイキして見える。
やはりここは、コンちゃんゆかりの地である。
18時過ぎからディナーの準備にとりかかる。自宅で下ごしらえしておいたピリ辛カレーをシーフードカレーとして完成させた。コンちゃん搭載の象印炊飯ジャーで、千葉県産の多古米(たこまい)を炊く。粒が大きくもっちりしていて、これがカレーに実によくあう。
高原野菜のサラダや、蓼科限定のヨーグルトも添えた。
辺りはすっかり暗くなり、気温も少し下がってきた。
タイニーハウスの中には、テレビ付きのリビング、ユニットバス、広めの寝室、さらに夜空を見ながら寝れるロフトもある。
今夜はロフトで寝てみよう。電動開閉式の窓から夜空を見ながら……。
いつになく、早い時間に眠りについた。
スズメたちの声で午前5時前には目が覚めた。
ウッドデッキで大きく深呼吸。
実にノンビリした朝である。
備え付けのコーヒーマシンから良い香り。
7時過ぎ、再び高原野菜でのバーベキュー。
食後の散歩でアルトピア―ノ蓼科内を歩く。
きのうも元気にドックランで走り回っていたワンちゃんに遭遇し、頭をチョンチョン、可愛い子だ。
人とクルマの関係、これからどうなる?
こうして、アルトピア―ノ蓼科での楽しい1泊。
実体験しながら、改めてトヨタモビリティ神奈川が提唱する「モビリティライフデザイン」という考え方に納得した。
昨今、自動車といえば、カーボンニュートラルによるEVや燃料電池車などの電動化や、政府主導で産学官連携で進めてきた自動運転技術や関連する法整備、といった領域がメディアで取り上げられることが多く、筆者もこれら関連の執筆が多く、テレビやラジオで解説もする。
一方で、千葉県八街市で発生した、飲酒運転のトラックドライバーが下校中の小学生の列に突っ込むという悲惨な事故や、いわゆる池袋暴走事故の公判で世間の注目を集める高齢ドライバー問題など、クルマと関連する社会課題は数多い。
そうした中で、ユーザーは日々の生活で、ひとりひとりのモビリティライフを過ごしている。
キャンプやアウトドアなど、家族と一緒に、またはひとりでノンビリと趣味やリラックスタイムを過ごすための時間もある。
変り行く社会の中で、人とクルマとの関係も当然、徐々に変わっていくのかもしれない。
それが、いつ、どのような形で変わるのか?
それとも、大筋では変わらないのか?
その中で、私自身はどうしていくべきなのか?
アルトピア―ノ蓼科で過ごし、リラックスしながらも、これからの私事をいろいろと考えた。
チェックアウトは午前10時。
お世話になった、アルトピア―ノ蓼科の皆さんにご挨拶して。
さて、きょうはどうしよう。
進路を信州長野から上州群馬に向けて、コンちゃんと一緒の旅は続く。
この記事を書いた人
専門は世界自動車産業。その周辺分野として、エネルギー、IT、高齢化問題等をカバー。日米を拠点に各国で取材活動を続ける。日本自動車ジャーナリスト協会会員。一般誌、技術専門誌、各種自動車関連媒体等への執筆。インディカー、NASCAR等、レーシングドライバーとしての経歴を活かし、テレビのレース番組の解説担当。海外モーターショーなどテレビ解説。近年の取材対象は、先進国から新興国へのパラファイムシフト、自動運転、EV等の車両電動化、情報通信のテレマティクス、そして高齢ドライバー問題や公共交通再編など。