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なぜ86レビンが「ファミリアGT-X」になる!? プラモ改造テクを駆使してフジミ製AE86を大変身させる!【モデルカーズ】

陸サーファーの後を継いだ雪の女王

ファミリアは、今ではバンに名前が残るのみ、しかもトヨタのOEMとなってしまったが、かつてはマツダを代表する大衆車であり、その系譜は現在のマツダ3へと繋がっている。初代ファミリアは1963年の登場であったが、2代目ではロータリークーペ(1968年)で俊足ぶりを発揮したり、FFとなった5代目(1980年)では陸サーファーに大人気となったりなど、歴代モデルは様々な話題を提供してきた。

6代目となるBF系ファミリアは、この大ヒット作・5代目からのキープコンセプトで、1985年に登場した。サイズは拡大せずに丸みを帯びさせた外観と、巧みな設計による室内の広さで、再び人気車種となったのである。先代から継承の1.3Lと1.5L、およびそのターボでスタートしたパワーユニットは、クラス最強スペック(当時)のDOHCターボ、ディーゼル、そして可変吸気ユニット搭載のDOHCと、強力なバリエーションを順次追加。

フルタイム4WDはファミリーグレードにも1985年のうちから早々に採用されており、従来のパートタイム式のような扱い難さのないことから、積雪地でのユーザー獲得に成功。また、国産初のフルタイム4WD+ターボのGT/GT-Xは、国内外のラリーにおける好成績から“雪の女王”とも呼ばれた。競技用ベースとして、リアビスカスLSD装備のGT-Aが途中から追加されている。

さて、ここでご覧頂いているのは、このファミリアGT-Xを1/24スケールで再現したプラモデルの完成品である。とは言っても、BF系ファミリアのキット化は皆無。これは実は、AE86カローラ・レビンをベースにファミリアへと改造した作品なのだ。

86レビンがどうやってファミリアに⁉
カタログの実車図面を参考に、フジミのAE86を改造していく。まずノーズの傾斜角を変更するため、左右両脇先端からAピラー直前まで切込み、持ち上げてプラ板を挟み瞬着で固定する。次にAピラー根元に切れ込みを入れ、1/24寸法にした側面図と照らし合わせながら角度を立たせ、左右で揃うよう注意しつつプラ板で裏打ち。フジミAE86のフロントガラスを切り出し、ピラーにあてがい角度と位置を確認。リアはオーバーハング短縮のためリアパネルを切断しプラ板を貼る。さらにバンパーを切り出し。

切り出したバンパーを図面に合わせ長さ調整し接合。リアピラーの角度も変更する。角度が決まったら1mmプラ板を屋根に貼り、四方から削って丸みを持たせた。Bピラーは切除し、図面を元に0.5mmプラ板2枚を合わせてサッシとピラーを自作。Bピラーのサッシ部は、形を修正する際の削りシロとして少し大きめに。ボディに合わせたらサイドステップ部を残して側面全体を金ヤスリで均す。ショルダーの出っ張りは0.5mmプラ板を貼り、ウェスト部の凹みを金ヤスリで削り込んだ。フェンダーアーチも0.5mmプラ板(はさみで短冊状に切り出し、丸まったものを利用)を貼って成形。

ボンネットは左右のプレスラインを活かしつつ、オープニングラインとカウルトップパネルを彫る。パワーバルジ(DOHC専用)はプラ板で造形。グリルとライト周りはプラ板で作り、バンパーは瞬着で裏打ち後に削って長さを詰め、スポイラーとともに加工する。リア周りも同様にテールランプ部を開口し、その下の段差部分はプラ板で成形。スポイラーはハセガワ製ジェミニのトランク部をベースに下側を、0.5mmプラ板で上側を制作。リアサイドウィンドウは、アオシマAE86のパーツを前後逆にしてドア部分を切り出し使った。

インテリアは、フジミAE86のパーツをリアシートのみ流用、加工している。フロントシートはタミヤ製プレリュードのパーツとアオシマ製パジェロショートのヘッドレストの組み合わせ。インパネはフジミ製とアオシマ製のFC3S、フジミ製71マークⅡのそれぞれのパーツを組み合わせて自作している。ステアリングホイールはアオシマ製S12シルビアの社外品パーツのセンター部に、フジミ製ポルシェ911のリムを組み合わせた。

作例制作=森山琢矢/フォト=服部佳洋 modelcars vol.270より再構成のうえ転載

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