1975年に登場した4代目セドリック/グロリア、330系はアメリカ車を彷彿とされるグラマラスなボディと、どこかヤンチャな佇まいで今も人気を誇る旧車である。石原プロモーション製作の西部警察や大都会などで、派手なカースタントで出てくることで懐かしがる方も多いことだろう。1976年になると、全車とも当時の排ガス規制適合車となり型式が331系に変更される。(ディーゼルとバンは別規制のため330のまま) 。 ボディバリエーションは、4ドアセダン、ハードトップ、2ドアハードトップ、バンであったが、ピラーのないハードトップは、優雅なボディラインがさらに強調され、時代を感じされる。ここで紹介するのは、旧エルエスのカープラモデルを丁寧に仕上げた331セドリックの作例である。
微妙なキットを今のテクニックで変身させる!
1/20という大きめのスケールでありながら、その利点をなんら活用することなく、1/24とほぼ同程度の内容、という評価に甘んじていた旧エルエスのカープラモデルキットたち。だがその中には、他社にない車種選択、良好なプロポーションなどによって、高い価値を獲得しているものがある。330型セドリック/グロリアがそれだ。バンダイやニチモは、なぜかこのクラスの車種をモデル化しなかっただけに、1/20スケールで330の迫力ある姿を楽しめるのはありがたい。エルエス廃業後は、アリイ/現マイクロエースに引き継がれて再販されており(最近は店頭在庫のみかもしれないが)、入手が比較的容易なのも大いに助かる。
とはいえ、そこはやはり「大味」と表現される旧エルエス1/20。ディラインにはどこか固さが否めない。フロントマスクはなんとなく平板だ。リアエンドは分厚く、しかも気づきづらいが、きっちり検証するとトランクが短い。そこで今回は、そんな微妙なキットである330セドリックに、今だからこそできる数々のテクニックを用いて、新たな息吹を吹き込んでみた。参考にしていただくとともに、お楽しみいただければ幸いだ。