国内試乗

最強の輸入プレミアムSUVはどれだ⁉ カイエン・ディフェンダー・XC60・グランドチェロキーの各国代表を集めてイッキ乗りしてみた

情緒派のディフェンダー

イギリス車は、キャラとして情緒派といえるモデルが多い。その象徴がディフェンダーだ。試乗車の110SEは、2Lの直列4気筒ターボエンジンを搭載。最高出力は300psと、2420kgに達する車重を前提にすると頼りなさそうに思われかねない。

ところが、日常的な場面では力強さの不足を感じない。最大トルクの400Nmを1500rpmから発生し、アクセル操作に対する応答の遅れを感じないためだ。エンジンは軽やかに吹け上がるので、必要に応じてアクセルを踏み込む気持ちにもなる。刺激こそ得られないものの、伸びやかな加速が味わえればそれで十分なのだ。

インテリアは情緒派といってもラグジュアリーな印象とは無縁。スパルタンというわけでもなく本格的オフロード4WDらしい仕上げとなる。2列目シートはスライド機能を備え広い足元スペースを確保。荷物スペースには3列目シートが内蔵されるが+2的な機能に限定される。エンジンは実用性能を重視。

サスペンションは、柔らかめの設定となる。それでいてボディに縦揺れが残るようなフワつきを覚えることがなく、むしろオフロードで路面に対して優れた追従性を示しそうな予感に結びつく。

ステアリングの切れ味は、マッタリと軽めだ。直進時には、ステアリングからハッキリした中立感が伝わってくるわけではない。それでも、リムに手を添えておくだけで進路の維持が可能だ。

そもそも、タイヤはオフロードでの走破性を重視したオールテレイン仕様だ。そのトレッドパターンを見るたびに、大自然に深く分け入り休日を過ごす機会は稀かもしれないが思いを馳せたくなる。やはり、ディフェンダーは人の気持ちを動かす情緒派だ。

【Specification】ランドローバー・ディフェンダー110SE
■全長×全幅×全高=4945×1995×1970mm
■ホイールベース=3020mm
■車両重量=2240kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1995cc
■最高出力=300ps(221kW)/5500rpm
■最大トルク=400Nm(40.8kg-m)/2000rpm
■トランスミッション=8速AT
■サスペンション(F:R)=Wウイッシュボーン:マルチリンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ(F:R)=255/60R20:255/60R20
■車両本体価格(税込)=7,850,000円
■問い合わせ先=ジャガー・ランドローバー・ジャパン ☎0120-18-5568

フォト=宮越孝政/T.Miyakoshi ルボラン2022年8月号より転載

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