ボディカラーのホワイトを引き立てる、ガレージとしては珍しいブルーの塩ビタイルが美しいガレージ
レストアを終えたばかりの、真っ白な1971年式ニッサン・フェアレディZ 。オーバーフェンダーや極太タイヤで迫力のルックスだが、セルを回すと野太いエンジンサウンドにビックリ。なんでもエンジンは3Lのフルチューンエンジンが搭載されているとのこと。
ガレージからZが出てくる姿は迫力あふれるものであるが、オーナーであるZさんの楽しみは、クルマの後方にテーブルとチェアを置いて、テールからの姿を眺めることだそうだ。
15年前に建築したガレージをリノベーション
元々このガレージは、15年前に建築されたもの。外壁はガルバリウム鋼板、床はモルタル仕上げで、内壁はOSB合板を使用している。オートバイをDIYでカスタムするためのスペースとして活用されていたという。
しかし、エンジンや足まわりのチューニングを依頼していたフェアレディZが戻ってくることをきっかけに、ガレージのリノベーションを行うこととなったのだ。
リノベーションを手がけたのは、商業建築やマンションなどの工事を請け負う千葉県の「Root’s factory」という会社。その経験を活かし、コストを考えながら、いかにZさんの要望に応えるかを追求したという。
Zをモチーフとしたドアもポイント
約50平米のガレージをリノベーションしていく中で、最初に行ったのは木造ガレージの天井を壊して空間を確保しながらも、配線を引き直す作業。床面はタイル調の塩ビタイルを敷き詰めクルマを美しく見せる工夫を凝らした。ガレージ内のドアは吊り下げ式の引き戸に変更。ドアにはZをモチーフにしたデザインが施されている。
そしてガレージには往年のオートバイを展示するスペースを新たに設置。床から250mm上げたステージのようなエリアは、オーク材と縞鋼板による装飾が施された。自作の収納スペースには、オートバイのレストアパーツなどがストックされている。
ガレージの床というと、グレーやホワイトのような無彩色カラーが多いが、このガレージではブルーの塩ビタイルがとても美しく、ボディカラーのホワイトが引き立っていた。
また商業施設も施工しているRoot’s factoryならではといえるのが、スポットライトなど、間接照明の採用である。これまでのガレージはオートバイをカスタマイズするための作業場的なガレージだったが、リノベーションによりくつろげる空間になったとはZさん。オーク材を使ったバーンドアの存在や、オートバイのステージとなるスペースは、昔から所有しているカワサキ750RS(Z2)のための特別な空間となった。
◆愛車
1971年式 ニッサン・フェアレディ S30、1973年式 カワサキ・750RS(ZⅡ)
◆OWNER’S CHECK
・一番気にいっているところは?
間接照明で天然石の壁面を照らすことにしたため、今までのガレージとは異なる空間にすることに成功したと実感しています。
・ちょっと失敗したところは?
特にありません。
・次の夢はなんですか?
照明をカスタマイズして、カラーを変えるなどもう少し手を加えてみたいですね。
◆COMMENT FROM A BUILDER:Root’s-factory株式会社 根本さん
あくまでもクルマが主役だったため、シンプルな設えの内装に仕上げたのがよかったと思っています。いろいろなドアのデザインがありますが、手作りのバーンドアにすることで自然な雰囲気になりまとまりました。
取材協力:Root’s-factory株式会社