モーガン

100年以上の歴史を持つ3ホイラーの最新型!! 車重わずか635kgのオールアルミ製ボディに1.5L 3気筒エンジンを搭載した『スーパー3』を駆る!!

旧くて新しい英国の3ホイラーに乗る

113年の歴史を持つモーガン社が1910年から生産してきた3ホイラーは、これまで幾度も様々な規制に遭遇し存続が危ぶまれてきた。2018年にはEV3と名付けられたEVプロトタイプがジュネーブ・ショーに登場し、その後継モデルと囁かれてきたが、今年発表された2022年モデルのスーパー3は、ICE搭載のコンベンショナルな内容を持つ。

【写真7枚】オールアルミ製ボディに1.5L 3気筒エンジンを搭載、モーガン「スーパー3」の詳細を写真で見る

ネジ1本から新たに設計された全長3.58mのボディはアルミを接着したもので、デザインはどこかポストモダン風で新鮮。さらに大きな変化は、パワーユニットが伝統のVツインに代わり、フォード製の1432cc 3気筒エコテックが搭載されることだ。ターボは外されているが、最高出力118ps、最大トルク150Nmを発生し、ドライウェイトわずか635kgの3輪車を、マツダ・ロードスターの5速MTを介して後輪を駆動。カタログには0→100km/h加速が7秒フラット、最高速度は209km/hと記載される。

ゆったりしたレザーシートに身を沈め前方に目をやると、レトロなフレームに囲まれたデジタル計器が中央に並ぶ。大きなモトリタ製ステアリングは不動で、ペダル調整でポジションを決める。

スーパー3はすべてが完全に新しくなったかといえば、そんなことはない。戦闘機のようにフラップの下にあるスターターを押してエンジンに火を入れると、思わず頬が緩んでしまう感覚は相変わらず。5速MTはシフトストロークが短く、カチカチと精密機械を操作しているかのようだ。

走り出すと、剥き出しの身体に当たる走行風が以前より格段に優しくなっているのが分かる。とはいえソフトトップの用意はなく、キャビンを覆うことができるのはトノカバーだけで、ドライバーとパッセンジャーはその日の天候に合わせた服装を選ばなければならない。乗り心地も相変わらずハードで、シャシーは路面状況を忠実に伝えてくる。快適性は求めるべくもないが、前方でせわしなく動く20インチのオープンホイールを眺めながら、たとえ口の中に小さな虫が入り込んできても笑い飛ばせるほどの楽しさは、スーパー3でも不変だ。

この最新3ホイラーはすでに受注が始まっており、価格は英国で3万4958ポンド(約564万円)と発表される。ただし、日本での価格や納期などは、現時点ではまだ発表されていない。

モーガン公式サイト

ルボラン2022年12月号より転載

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